100日曼荼羅アート 58日目-ホットケーキ
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☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
【はらぺこのお月さま】
この本で出会ったうさぎたちは、”本の外からの旅人”を知らないという。
まめぴよは、やっと何かに気づいたようですが。。。
この本はいったい……?
【58日目】100日旅するまめぴよ 「はらぺこのお月さま」ホットケーキ
祭りの広場
目を覚ますとそこは、祭りの広場でした。
となりには、ミルク缶がありました。
気を失ったまめぴよは、大きなワゴンに乗せられて、
ミルク缶と一緒に広場へ運んでもらったようです。
まめぴよ「たしか、流れ星が飛んできて……。そうだ!!本は?!」
まめぴよの思った通りでした。
カバンの中の特別な黒い本を確認してみると、
再び貼った覚えのない切り絵が新しいページに増えています。
まめぴよ「ながれ星が切り絵を運んできてるのかな……。」
そして、カバンの中に入れていた、宝箱から手に入れた大きめの黒い本も取り出してみると、
なんと、まっくろだった表紙は、うっすら絵が浮き出てきていて、表紙も開くことができるようになっていました。
そして、途中までの数ページを、めくることができました。
まめぴよ「やっぱり……。いま、この絵本の中に迷い込んでいるんだ。」
まめぴよが進んだページの分、ページがめくれるようです。
その絵本は、まめぴよの記憶から消えかけていた絵本でした。
まめぴよ「この絵本に迷い込んでしまうなんて……。」
そこへ、バターの良い香りが飛んできました。
まめぴよがワゴンの外をクンクンと覗いてみると、
広場では、たくさんの白うさぎたちが、ホットケーキの準備をすすめていました。
バターをしいた大きな大きなフライパンへ、
南の村の小麦粉、西の村のたまご、北の村のハチミツ、東の村のミルクを混ぜ合わせたトロトロの生地を注ぎこんでいきます。
大きなフライパン
ムー「やぁ!まめぴよ!よかった、目が覚めたんだね、だいじょうぶかい?様子を見に来たよ!」
まめぴよ「心配かけてごめんね、ありがとう、運んでくれて。」
ムー「なんもだよ!ほら、まめぴよに当たった流れ星。ふたつ、拾っておいた!」
まめぴよ「ありがとう。そのふたつ、よかったらムーとヌーで食べて。いろいろ助けてもらったお礼に。」
ムー「こんなに大きいの珍しいのに!いいのかい?ヌーもよろこぶよ!」
まめぴよ「うん!」
まめぴよは、ワゴンを降りて、ムーと共に広場の真ん中へと向かいました。
フタをされた大きなフライパンの中から、シューシューと蒸気がのぼり、
ホットケーキの良い香りが広場を包み込みます。
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ホットケーキ
ムー「南も、西も、北の白うさぎたちも、手伝いに来てくれたんだ!みんな張り切ってるよ!」
まめぴよ「みんな、やさしいんだね。お月さまは、どうしてるの?」
ムー「うん、しわしわのまんま動かないよ。」
まめぴよ「そっかぁ。。。」
ムー「あ!そろそろ焼きあがるよ!手伝いに行こう!」
まめぴよ「うん!」
うさぎの大将「よぉし!ロープを持て―!!ふたを開けるぞー!せーの!!」
ふたを開けると、大きな大きなぶあついホットケーキが、ふんわりと焼きあがっていました。
あまい香りの大きなゆげが夜空にのぼります。
ぶあついホットケーキは、持ち運べる大きさにカットされて、
どんどんと、お月さまのもとへ運ばれていきました。
お月さまのもとには、
カットされたホットケーキを抱えた白うさぎたちの行列ができあがりました。
白うさぎ「すごいよ!ぶあついケーキをひとくちで食べちゃった!!」
白うさぎ「美味しそうに食べてたよ!」
白うさぎ「どんどんおかわり持っていこう!!」
白うさぎたちは、食べっぷりの良いお月さまにだいこうふんでした。
ほっそりお月さま
お月さまは、あっという間に大きなホットケーキを食べつくしてしまいました。
そして、しぼんだ風船のようなお月さまは、ほっそりとしたお月さまになりました。
ほっそりとしたお月さまは、ていねいに頭を下げると、
フワフワと、すこし浮きました。
ムー「見てよまめぴよ!お月さま浮いてるね!!」
まめぴよ「うん、ほんとだ!」
お月さま「たいへん助かりました。みなさん、どうもありがとう。」
お月さまは、フワフワと頭を下げました。
東の村の長「あんた、いったいどこから来たんだい?」
お月さま「夜空のずっとずっと遠くから。好みの星を探している旅の途、ながれ星を出すキンチャクを無くしてしまって、食べものが無くなり、しぼんでしまって、この星に落ちてしまったようです。」
ヒソヒソとムーが言いました。
ムー「まめぴよの頭に当たった大きな流れ星はさ、お月さまのキンチャクからこぼれた流れ星かもしれないね。」
まめぴよ「きっと、そうだよね。」
ふたりはこっそり笑いました。
そこへ、ヌーがやってきました。
ヌー「いたいた!まめぴよ!さっき、お月さまにホットケーキを運んでたら、お皿の裏側に、こんなものがあったのよ!」
まめぴよ「これ、このページの切り絵だね!」
ヌー「やっぱり!!……使えそう?」
まめぴよ「ありがとう!これ使ってみるよ。」
ムー「今度は、うまくいくかな?」
まめぴよ「どうだろうね。」
3人はそろってクスクス笑いました。
まめぴよは、ヌーから切り絵を受け取ると、
本を取り出し、新しいページに貼りつけました。