100日曼荼羅アート 57日目-帰り道

☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
【はらぺこのお月さま】
この本で出会ったうさぎたちは、”本の外からの旅人”を知らないという。
まめぴよは、まだ、この本のタイトル分かっていません。
この本はいったい……?
【57日目】100日旅するまめぴよ 「はらぺこのお月さま」帰り道
目の前には2人の白うさぎ
目をひらくと、そこは、切り絵を貼りつけた天の川のほとり。
目の前にはムーとヌー。
まめぴよ「あれ?」
ヌー「一瞬ふわっと消えちゃったかと思ったのに!気のせいだった?」
ムー「まめぴよってば、バイバイかと思ったらまだ目の前に居るし!」
「あははははは!!」
ムーとヌーは大笑い!
まめぴよもつられて大笑い!
切り絵を貼りつけたのに、景色は変わらず、時間も変わっていないようでした。
ページは、進んだのか進んでいないのか、まめぴよにも分かりませんでした。
ムー「とにかく、またお喋りできるね!いっしょに山おりようよ。」
帰り道
ムー「山から東へ歩くと、ぼくらの村があるんだ。」
まめぴよ「このあたりには、白うさぎさんたちしか住んでいないの?」
ヌー「いいえ、うさぎを襲うケモノも住んでいるの。だから、夜のミルク汲みはとってもキケンなのよ。私たち、このランプをつけて歩いている理由は、ケモノを寄せつけないため。ケモノは真っ暗闇に住んでいて、ランプを手放したらすぐにでも襲ってくるわ。」
まめぴよ「……ここって、そんなにキケンな世界だったんだね。」
まめぴよは一気に背筋が凍りました。
ムー「白うさぎの村々は、天の川のかかる山を中心に、4つあるんだ。ぼくらの村は、山からミルクを汲んで、東の村でバターを作る。山から南に位置する村は、小麦を作って小麦粉を作るよ。西の村は、たまごの実を育ていて、たまごを収穫する。北の村は、養蜂をしてて、ハチミツを作っているんだ。」
ヌー「わたしたち、それぞれの村で作ったものを、交換しあって生活しているの。」
まめぴよ「とっても仲良しなんだね!」
そうふたりと会話をしながら、まめぴよは不思議に思っていました。
そういうストーリーの本って、自分の本棚に入っていたっけ……?と。
本の中の旅は、自分の本棚の本に迷い込むはずですが、
まめぴよは、ふたりが離すような世界設定の本を読んだ覚えがありませんでした。
ムー「あれ?あそこに人だかりができているよ。」
まめぴよ「何かあったのかな。」
ヌー「いってみましょ!」
しわしわの袋
人だかりに近寄ってみると、
その中心には、ぼんやりと光るしわしわの袋のようなものが落ちていました。
白うさぎたちは口々に言いました。
「これなんだろうね?」
「しわしわだね。」
「なんだか光ってるよね。」
ミルクを汲みに行った帰りの白うさぎたちが
どんどんと集まってきます。
まめぴよはハッとして、白うさぎたちをかき分け、
しわしわの袋に、かけよりました。
まめぴよ「これは!!!」
ムー「まめぴよー、どうしたの??」
まめぴよ「ムー!たいへんだ!これは、腹ペコで倒れてるお月さまだよ!!」
まわりにいる白うさぎたちは、いっせいに「えぇーーー!!!」と叫びました。

しぼんだ風船
ムー「ねぇ、お月さまって何?どうしてまめぴよは、しわしわの袋が、腹ペコだってわかるの?」
まめぴよ「えぇと、……どうして?かな?」
ヌー「それより、腹ペコなのはたいへん!くんできたミルクを飲ませてあげましょうよ!」
ムー「そうだね!!」
しわしわの袋に、ミルクを飲ませてみると、
ぼんやりと光る袋は、しぼんだ風船くらいになりました。
ムー「しわしわの袋が、しぼんだ風船みたいになった。」
そして、しぼんだ風船のようなものが起き上がり、言いました。
「どうも…ありが……う。」
そしてまた、しわしわと倒れました。
白うさぎ「また倒れたぞ!!」
ヌー「どうしよう、死んじゃうのかしら?」
ムー「まめぴよ、お月さまは何を食べるんだろう?」
まめぴよ「……そうだ!!白うさぎのみんなは、大きなホットケーキを焼けるよね?お月さまに、大きなホットケーキを食べさせてあげられないかな?」
そこへ、大きな白うさぎが出てきて言いました。
白うさぎの大将「なるほどなるほど。腹ペコとはは、いちだいじ!手分けして準備だ!特大のホットケーキを焼いてやろう!」
そこに居合わせた白うさぎの大将は、テキパキと白うさぎたちに指示を出しました。
白うさぎの大将「いいか、訳を話して村々で余っているぶんをゆずって貰ってこい!山のふもとの祭りの広場に集合だ!」
南へ小麦粉を、西へたまごの実を、北へハチミツを、ゆずってもらうため、いく人かの白うさぎたちを向かわせました。
そして、
いく人かの白うさぎたちには、村へ戻り、焚き木や、バターを取りに向かわせました。
白うさぎの大将「よし、のこりのみんなで輸送中のミルクと、しぼんでるお月さんとやらを祭りの広場に運ぶぞ!」
ムー「よかった、これで、何とかなりそうだね!僕らもいこう!」
ヌー「ねぇ、まめぴよ、どうして、私たちが大きなホットケーキを焼くこと、知っていたの?」
まめぴよ「えーと…?それは……」
まめぴよは、「……あ!」、と目をまん丸くして立ち止まりました。
まめぴよ「うん、知ってるよ。この本のこと、よく、知ってるんだ……!!」
ムー「まめぴよ!あぶない!!」
ゴツン!!ゴツン!!!!!
まめぴよの頭と、まめぴよのバックめがけて、大きな流れ星が降ってきたのでした。