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【7日目】100日旅するまめぴよ「The Blue Bird-7」光
☆現在まめぴよが迷い込んでいる本☆
【青い鳥】メーテルリンク原作
チルチルとミチルの兄妹は、おばあさんに「幸せの青い鳥」を探してほしいと頼まれます。そして、さまざまな国へ旅立ち、各地で青い鳥を見つけるものの、国を出たとたんに鳥は姿を変えてしまい、どうしても連れて帰ることができない。。。
ガラスの宮殿
今朝は、壁も天井もガラスばりの建物の中で目を覚ましました。
天井には、たくさんのフラワーシャンデリア。
キラキラと、日の光もとたくさん降りそそぎます。
すがすがしい場所でした。
「お目覚めになりました?」
うしろから声がしました。
光の精
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うしろをふりかえると、
そこには、かわいらしい女の子が立っていました。
光「わたくしは、光の精。あなた、まめぴよですね。」
まめぴよ「はい。はじめまして。”時”はあなたにも伝言を?」
光「いいえ。わたくしは、光の精ですので。だいたいのことは光を通して見えますから。」
まめぴよ「光を通すと、わかるの…?」
光は、静かにうなずきました。
光「ここは、ガラスの宮殿。さえぎるものなく光の届く場所。あなたの知りたいことに、お答えしましょう。」
まめぴよ「質問に答えてくれるってこと?」
光「そうです。」
光は、砂時計を出し逆さにしました。
光「あなたに与えられるのは、この金の砂が落ちきるまでのお時間です。」
光は目を閉じました。
金の砂がサラサラと輝き落ちだします。
時を忘れてしまうくらい美しい砂時計です。。。
”見つけること”と”伝えられること”
まめぴよは、美しい砂時計に気をとられかけましたが
はやく、質問をしなければ時間が無くなってしまいます。
「あ、いけない」
まめぴよは、まず、自分がこの本の中に迷い込んでしまったのはなぜか、尋ねました。
光「本の中に来た理由?それはあなた自身が”見つけること”。」
まめぴよ「それって、答え?」
光「それが答え。」
光は、目を閉じてしまいました。
まめぴよは、昨日の思い出の国で、自分には”思い”の道が出なかったことについて聞きました。
光は、指をまめぴよにむけました。
その指先から金色の光がさし、まめぴよの胸に向かって届きました。
光「あら…あなた、たくさんの箱に鍵をかてきたのね。それが原因よ。」
まめぴよ「それって、どういうこと?」
光「”伝えられること”はそれだけ。」
光は、ふたたび目を閉じてしまいました。
砂時計の砂は、もうすぐ落ちきってしまいそうです。
時間…ふと、1ページめで出会ったチルチルの顔を思い出しました。
そういえば、本の中にいるのに、チルチルに「いま何時?」って時間を聞いたっけ。
変なこと聞いちゃったんだな。
まめぴよは最後の質問をしました。
まめぴよ「ねぇ、チルチルは、青い鳥を見つけられる?」
光は、とても驚いた顔をしてまめぴよを見つめました。
光「あなた、自分のための質問はもうなさらないの?」
まめぴよ「うん…気になったから…」
光「そう。その質問の答えは、私にも分からない。何度青い鳥を見つけようとも、本物の青い鳥ではなかったのよ。だから今でもたわしたちは、青い鳥を探し続けてるわ。でも、いつか見つかると信じているわ。」
まめぴよ「そうなんだね。見つかると、いいね。」
しずかに砂時計の砂は、落ちきりました。
光のいのり
光「あなたに会えてよかったわ。もうすぐ暗闇の時間、私は消えてしまう。」
光は、花を形どった切り絵を差し出しました。
まめぴよ「うん。どうもありがとう。」
光「あ、よかったらこれを持って行って」
光は、キラキラと輝くブローチを取り出しました。
光「最後のページにいるのは、ベリリュンヌというちょっとイジワルい魔法使いだけど、私を気に入っているから、きっとこれが役に立つわ。」
パンのくれたカバンに付けてくれたかと思うと、音もなく光の精もガラスの宮殿も消えてしまいました。
「光の精さん、ありがとう」
まめぴよは言いました。
(お花の切り絵はTwitter Instagramにて、今夜UP予定)