100日曼荼羅アート 93日目-きじ
☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
【古事記】
現存する日本最古の歴史書とされている書物。上・中・下の全3巻からなる。
和銅5年に太安万侶が編纂して、元明天皇へ献上された。
(青空文庫・現代語訳 古事記)
・・・そんな最古の書物に迷い込んだまめぴよは、どんな出会いをしていくのか……?
まめぴよはアレンジ&簡潔にしてしまった古事記を旅して進んでいきますので、ぜひ、現代語訳古事記の本自体を、お手に取ってみてくださいね!なるほども、残酷も、さまざまでたいへん興味深い内容でいっぱいです、ぜひ!
現代語古事記
【93日目】100日旅するまめぴよ 「古事記-13」国譲り1
送られた刺客
目を覚ますと、そこは雲の上。
久しぶりに天界へやってきたようです。
近くで、地上の世界を覗きこんでいる神をみつけたので、声をかけてみました。
まめぴよ「こんにちは。」
天界の神「おや?あなたはいつぞやかの、ことりどの。」
まめぴよ「こんにちは、まめぴよです。」
オシホミミ「そうでしたそうでした、まめぴよどの。わたくし、誓約により生まれし天照大神の子、天忍穂耳命。」
まめぴよ「スサノヲさんが、アマテラスさんの勾玉を噛んで吹き出した、あのときの!」
オシホミミ「そうです、そうです。ほっほっほ。」
まめぴよ「何を見ていたんですか?」
オシホミミ「実は、大国主が国造りを達成し、葦原中国は、大層栄え、賑わっておりましてな。」
まめぴよ「よかった!!大国主さん、国造りがんばっていましたから!」
オシホミミ「それが、問題なのです。」
まめぴよ「もんだい?」
オシホミミは、ことのいきさつを話してくれました。
これを見ていた天照大神を始めとした高天原の神々は、「地上世界(葦原中国)を知らす(統治に近い意味)べきは、わが一族ではあるまいか。」と言い始め、天の神を地上世界へおろすことを決めました。
そこで、最初に地上世界へ降りるよう言われたのが、天忍穂耳命でした。しかし、オシホミミは、地上へ続く階段から見てみると、地上の騒がしさに嫌気がさし、降るまえに天照大神のもとへ戻りました。
次に降るよう言われたのが、同じく誓約で生まれた天穂日命でした。しかし、地上へ降りるとそのまま大国主の従者となり、3年経っても天界へ戻りませんでした。
そして、3番目に地上へ降るよう言われたのが、天若日子でした。しかし、天若日子は大国主の娘と結婚をして、「私が葦原中国の王となる!」と思っていました。
8年経っても、天若日子から連絡がないため、天界から、ナキメという使者が送られました。ナキメとは、鳥のキジの姿をした神です。天若日子に、天界からの役目を思い起こさせようと、ナキメは鳴きましたが、天の探女が「このキジは不吉だから殺したほうが良いでしょう。」と、天若日子をそそのかしました。(天の探女は、あまのじゃくの語源と言われています。)
天若日子は、言われた通り、木にとまっていたキジを弓矢で打ち殺しました。その血の付いた矢が、天界のタカミムスビの神のところまで飛んでいきました。
タカミムスビの神は、血の付いた矢を見て、「これは、天若日子に持たせた矢である。もし、天若日子に邪心があれば、この矢で射ぬかれ、死ぬであろう。」と、まじないをして地上世界へ矢を投げ返しました。
そして、天若日子は矢に射抜かれ、死んでしまいました。
天界の失敗続き
オシホミミ「ということで、天界からの使いは、失敗続きというわけなのだ。これはもう、最後の手段に出られるとのことである。」
まめぴよ「なぜ大国主さんが、治めているいまのままではいけないのですか?」
オシホミミ「それは、葦原中国も、天界の神の知らすべき世界であるからだ。」
まめぴよ「けれど、大国主さんは、スサノヲさんに言われて国を造りはじめたはずなのに……。」
オシホミミ「そんなに、あの騒がしい地上の世界が気になるのであれば、おぬしも、出雲の国へ降りるとよい。」
と、オシホミミは、切り絵を差し出しました。
まめぴよは、大国主が心配で、はやく出雲の国に行こうと、
急いで切り絵を新しいページに貼りつけました。