【97日目】100日旅するまめぴよ 「古事記-17」海幸彦・山幸彦

100日曼荼羅アート 97日目-海の中

☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
【古事記】
現存する日本最古の歴史書とされている書物。上・中・下の全3巻からなる。
和銅5年に太安万侶が編纂して、元明天皇へ献上された。
青空文庫・現代語訳 古事記
・・・そんな最古の書物に迷い込んだまめぴよは、どんな出会いをしていくのか……?
まめぴよはアレンジ&簡潔にしてしまった古事記を旅して進んでいきますので、ぜひ、現代語訳古事記の本自体を、お手に取ってみてくださいね!なるほども、残酷も、さまざまでたいへん興味深い内容でいっぱいです、ぜひ!


現代語古事記

【97日目】100日旅するまめぴよ 「古事記-17」海幸彦・山幸彦

海の中

目を覚ますと、そこは海の中。
大きなサンゴやイソギンチャクが花咲くようにそびえ、
色さまざまな魚たちが泳ぎまわり、それはそれは、華やかな景色でした。
その奥には、大きな魚のウロコで出来たような宮殿が見えます。

まめぴよは、女性に声を掛けられました。
女性「まぁ、ここらでは見かけないお方。あなたはどなた?」
まめぴよ「こんにちは。本の外から参りました、まめぴよです。」
女性「それはそれは、旅のお方でございましたか。お疲れでございましょう。さぁ、こちらでお休みくださいな。」

その優しい女性は、この宮殿に住む姫、トヨタマヒメでした。

トヨタマビメ

ここは、トヨタマビメの父、海の神綿津見わたつみの宮殿とのことです。
トヨタマビメは、宮殿の中にある中庭へ案内してくれました。

まめぴよは、華やかな庭に設けられたテーブルに案内されました。
トヨタマ「さぁ、まめぴよどの、こちらでお休みくださいな。ただいまお茶をお持ちしますわ。」
まめぴよ「ありがとうございます。」

その庭には、サンゴやイソギンチャクでできた庭園になっていて、
色とりどりの魚たちが泳いでいました。
魚たちは、ことりのまめぴよが珍しいようで、ちょこちょことお話をしに来ました。
まめぴよは、魚たちとの会話を楽しみました。

少しすると、トヨタマビメは、とても良い香りのお茶を運んできてくれました。

トヨタマ「さぁ、めしあがれ。」
まめぴよ「わぁ、なんて良い香りのお茶だろう。こんな香りのお茶は初めてです。」
トヨタマ「これは、月桃茶。心も身体もやすらぐお茶ですよ。旅の疲れも癒えるでしょう。」
まめぴよ「はい、いただきます。」

そこへ、ひとりの男がやってきました。
男「おぉ、茶の香りに誘われ来てみれば、これはこれは、客人ではか。」
ニコニコとしたその男は、遠理命ほおりのみこと(ホオリ)でした。

ホオリノミコト

トヨタマ「ホオリ様、こちらは、本の外からの旅人、まめぴよどのでございますよ。」
ホオリ「おぉ、それはご苦労!我は、ニニギの子、ホオリだ。」
まめぴよ「はじめまして、ホオリさん。ニニギさんの御子神様でしたか。」
ホオリ「なんと、まめぴよどのは、父上をご存じか!」
と、ホオリノミコトは、うれしそうに言いました。

そして、ホオリノミコトは、この海の宮殿へやってきたお話を始めたのです。

ニニギ木花之佐久夜毘売このはなさくやびめとの間には、3神の御子が生まれました。
 長男・火照命(ホデリノミコト)
 次男・火須勢理命(ホスセリノミコト)
 三男・遠理命(ホオリノミコト)

長男のホデリは、海で海の幸を獲り生活をしていたことから、海幸彦と、
三男のホオリは、山で山の幸を狩り生活をしていたことから、山幸彦と、
と呼ばれていました。

 あるとき弟ホオリは、兄ホデリに、互いの道具を交換してみないかと提案します。
兄ホデリは、三度言われても断りますが、弟ホオリが諦めないので、最後には渋々交換を承諾しました。
 弟ホオリは、海で釣りをしようと兄の釣針を使いますが、一匹も魚は釣れません。しまいには、海で釣針を無くしてしまいました。どうしたものかと肩を落としていると、自分も山で狩りができなかった兄ホデリが現れ言いました。「海の幸は己が幸、山の幸は己が幸。互いに、自分たちの道具でなければ幸は得られないのだ。道具を元に戻そうか。」そこで、弟ホオリは正直に答えました。「釣針を海で無くしてしまいました。」
 兄ホデリが自分の釣針を返せというので、弟ホオリは自分の剣をつぶし1000個の釣針をつくり、兄ホデリに持っていきましたが「もとの釣針を返せ!」と許してはくれませんでした。

 この広大な海で小さな釣針ひとつをどう探したらよいのかと、弟ホオリは、海辺で泣きわずらいました。すると、潮流の神である塩椎神しおつちのかみが現れて、どうしたのかと尋ねました。弟ホオリが、泣いているワケを説明をすると、「この潮に乗って、海の神 綿津見わたつみの宮殿へ参りなさい。綿津見の娘があなたを助けてくれるでしょう。」

ホオリ「そういうことで、この宮殿に参り、このトヨタマヒメと出会い、結婚したというわけじゃ。」
トヨタマ「あなた様がここへきて、もう3年になりますわね。」
ホオリ「時がたつのは、はやいのう。はっはっは。」
まめぴよ「そっかぁ。釣針を探しにいらして、おふたりは出会われたのですね!」

ホオリ「・・・そうだ!!私は兄の釣針を探しにここへ参ったのだった……!!」
と、ホオリは深い深いため息をつきました。

まめぴよ「お忘れだった……?」
まめぴよは、目をぱちくり。。。

トヨタマ「あぁ、なんて可哀そうなお方。そんな深いため息をつかれたことは、ここに来てから一度もなかったのに!父上にご相談差し上げましょう!」
と、トヨタマビメは、ホオリの手を引き宮殿へ入っていきました。
まめぴよも、ふたりのあとを追いました。

海の神 綿津見わたつみ

海の神綿津見(ワタツミ)は、それはまた貫禄のある大きな神でした。
ホオリの深い深いため息の理由をワタツミに話すと、
「それは、いちだいじ!!」と、たくさんの魚たちを集め聞きました。

ワタツミ「ホオリ殿の無くしたという、ホオリ殿の兄様の釣針を見かけたものはおらぬか?」
魚たちは、ザワザワと顔を見合わせました。

そこで、まめぴよが手をあげました。
まめぴよ「あのう……。」
トヨタマ「どうなされた?まめぴよどの?」
まめぴよ「さきほど、お庭のほうで、ノドが痛いという赤鯛さんとお話をしたのですけれど、ひょっとして……?」
ワタツミ「のどを傷めた赤鯛よ、前へ!」

と、先ほどまめぴよとお話をした赤鯛が遠慮がちに出てきました。
なんと、その鯛のノドにはホオリの探していた兄の釣針が引っかかっていたのです。

ホオリ「兄様の釣針じゃ!!」
まめぴよ「よかったね、ホオリさん!」
ホオリ「これで、返しに行くことができるぞ!!」
海のみんなは、おおよろこびでした。

トヨタマ「赤鯛のノドも、すっかり良くなったようです。まめぴよどの、どうもありがとう。」
と、トヨタマビメはまめぴよに切り絵を差し出しました。
まめぴよ「こちらこそ、すてきなお茶をごちそうさまでした。」

まめぴよは、切り絵を受け取ると、新しいページに貼りつけました。

まめぴよの旅だったあと、
ホオリは兄ホデリに釣針を返しに行きます。

 ワタツミは、赤鯛ののどから取り出した釣り針を洗うと、鹽満珠しおみちのたま鹽乾珠しおひきのたまとともに、ホオリに手渡し言いました。「兄様に針をお返しになるときには、この鉤は貧乏鉤びんぼうばりの悲しみばりだと言つて、後ろ手でお渡しなさい。そして、兄様が、高いところに田を作れば、あなたは低い土地に田を作りなさい。兄様が、低いところに田を作れば、あなたは高いところに田を作りなさい。私は水をもつかさどる神、3年間の間に兄様の田は貧しくなるでしょう。」そして、こうも付け加えました。「兄様がそれを恨み攻めてくれば、鹽満珠しおみちのたまで溺れさせ、許しを請うたら鹽乾珠しおひきのたまで、お救いなさい。」そうして、ワタツミは一番早く泳げると申し出たワニザメを遣わし、ホオリを1日にして故郷へ返しました。

 故郷へ戻った弟ホオリは、ワタツミに言われた通りに釣針を兄ホデリに返しました。そして、互いに田をつくり、暮らします。
 しかし、ワタツミの水源を操る力で、兄ホデリの田は貧しくなり、心も荒れ、弟ホオリを攻めてきました。弟ホオリは、ワタツミに言われた通り、力のある2つの球を使い、兄ホデリを懲らしめました。そうして、兄ホデリは、弟ホオリに「昼夜問わず、あなたの護衛となりましょう。」と、兄ホデリは、弟ホオリに仕えることとなりました。

(切り絵はTwitter Instagramにて、今夜UP予定)

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