100日曼荼羅アート 47日目-かかし
☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
【オズの魔法使い】
ドロシーと飼い犬のトトは、ある日竜巻に巻き込まれ、家ごとオズの国に飛ばされてしまいました。カンザスの自宅に帰るねがいをきいてもらうため、大魔法使いのオズ大王に会うためエメラルドの都をめざします。それぞれに願いごとを持った、かかし、ブリキの木こり、ライオンと共に旅する物語。
(登場するキャラクターや内容・解釈は、ななのアレンジが結構加わっておりますので、ぜひ原作の『オズの魔法使い』のストーリーも読んで楽しんでみてくださいね!)
【47日目】100日旅するまめぴよ 「オズの魔法使い-3」かかし
トウモロコシ畑
目を覚ますとそこは、トウモロコシの畑に挟まれた小道でした。
「やぁやぁ、はじめまして!きみは誰だい?」
突然、男の声がして、話しかけられました。
まめぴよはキョロキョロしましたが、誰もいません。
「上だよ、う・え!」
少し目線をあげると、棒の上にかかしが突きささっていて、
そのかかしが話しかけているのでした。
まめぴよ「かかしが、しゃべってる……。」
かかし
本の中は、ほんとうに奇妙な気分になるなと思いながら
まめぴよは、かかしに返事をしました。
まめぴよ「はじめまして、まめぴよです。あなた、かかしさんですね。」
かかし「えぇ、そうなんです、わたしは、かかしです!昨日にマンチキンたち作ってもらったばかりですよ!」
まめぴよ「それじゃあ、明日にドロシーがここを通るのかな…。」
『オズの魔法使い』のお話の中では、ドロシーとかかしが出会うのは、
かかしが作られてから2日目のことです。
かかし「わたしは、脳みそがないんで、何も知っちゃいないんですよ。あぁ、かしこい脳みそが欲しい。」
まめぴよ「そんなに、脳みそ欲しいの?」
かかし「そりゃあ、そうですよ!脳みそがあれば、なんだって理解できるんですから!脳みそのあるあなたには、理解はできないでしょう!」
まめぴよ「でも、脳みそがあったとしてもね、経験をつまないと、何も覚えられないし、判断を間違えてしまうことも、たくさんあるよ。分からないことも、ほんとうにいっぱいあるんだ。」
かかし「なるほど、そうでしたか。脳みそを持つあなたが言うんなら、それも正しいのでしょう……。けれども、脳みそを持たなけりゃ、はじまらない!賢くならなければ、心の使い方も分かりませんから、やはり、脳みそは欲しいですよ!」
まめぴよ「そういうものなんだね……。」
しつもん
かかし「ところで、あなたは何をしているのです?」
まめぴよ「本の中を、旅しているの。」
かかし「それまた、なんで?」
まめぴよ「探しもの……、するために。」
かかし「なるほど、なるほど、それは楽しそうだ。」
まめぴよ「命を狙われちゃったりもするから、楽しいばかりじゃないのだけれど……。」
まめぴよは、すこし笑いました。
かかし「それはそうと、その旅は、もうずいぶん長いので?」
まめぴよ「この本で、5冊めだよ。」
かかし「それはそれは!たくさんの経験を重ねられ、たくさんのことを学んだことでしょう。」
まめぴよ「でも、そうでもないの。他の人たちに助けられてばかりだし。この先、どうしていいか分からなくて、たまに、つらくもなっちゃう……。でもね、”ほんとうに大切なもの”を知りたくて、いまは、旅を最後まで続けたいって思ってるんだ。」
かかし「たとえ、つらい気持ちになろうとも、知りたいことを探し続け、歩みを続けられることは立派なことですよ!」
かかしは、ペンキで描かれたすこしゆがんだ顔で、ニッコリと笑いました。
すると、かかしの顔のぬいめの割れたところから、ワラと一緒に切り絵がはみ出てきました。
まめぴよは、かかしによじのぼり、切り絵をつかみとると、かかしに言いました。
まめぴよ「かしこいかかしさん、どうもありがとう!明日にはドロシーがきみを迎えに来るよ!すてきな旅を。さようなら!」
かかし「まめぴよさん、ご親切にありがとう!さようなら!」