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【44日目】100日旅するまめぴよ 「星の王子さま-12」フェネックキツネ

100日投稿

100日曼荼羅アート 44日目-麦畑

☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
星の王子さま
フランスの作家であり飛空士でもあったサン=テグジュペリによって書かれた物語。
砂漠に不時着した飛空士が、宇宙のどこかの星からやってきた小さな王子さまと出会います。
(登場するキャラクターや内容・解釈は、ななのアレンジも結構加わっておりますので、ぜひ原作の『星の王子さま』のストーリーも読んで楽しんでみてくださいね。わたしは、こちらの翻訳が読みやすくて好きです→【星の王子さま】)

【44日目】100日旅するまめぴよ 「星の王子さま-12」キツネ

麦畑

目を覚ますと、そこは麦畑の見える緑の丘でした。
青く澄んだ空から爽やかな風がおりてくると、金色の麦畑が風に吹かれ、ゆれ輝きます。
なんとも美しい景色でした。

「王子さま、どうしているだろう…。」
まめぴよは、つぶやきました。

「きみも、この景色で思い出す人がいるのかい?」
少し離れた草むらから、一匹のフェネックキツネが現れました。

フェネックキツネ

キツネは、少し離れた場所から、まめぴよに話しかけました。
キツネ「やぁ……、こんにちは。」
まめぴよ「こんにちは、キツネさん。」

キツネ「僕は、この金色の麦畑を吹きわたる風がお気に入りなんだ。」
まめぴよ「王子さまの、金色の髪の毛を、思い出すからだよね?」
キツネ「ん?……あぁ、そうか、きみは本の外からの旅人か。」
キツネは、まめぴよが本の外からの旅人で、この本の内容を知っているということに、気が付いたようでした。

他の誰とも違う存在

キツネ「きみは、何を探しにこの本へ来たのかな?」
まめぴよ「それが、よく分かっていなくて…。」
キツネ「なるほどね……。そうは言っても、新しい本に入るたびに、きみは新しい何かを見つけているはずさ。」
まめぴよ「新しい何か…?」
キツネは、大きなしっぽを左右にふって、その場に腰をおろしました。

キツネ「ねぇ、知ってる?大切なともだちって何なのかを。」
まめぴよ「……どういうこと?」

キツネ「大切なともだちって、他の誰とも違う存在になるのさ。会える日の約束を作ったときのワクワクや、手紙が届いたときのうれしさで、ともだちが居ることの幸せの価値を知るんだ。」

まめぴよ「けれど、自分がそのしあわせを感じてもね、相手は同じように感じてないかも……しれないよね?」
キツネは、一瞬おどろいたような顔をしましたが、
微笑み言いました。
キツネ「きみにとって、ともだちが大切なのはさ、きみが”ともだちにつくした時間”のせいなんだ。その逆もね。」
まめぴよは、黙ってうなづきました。

黒い本が選ぶ本

キツネ「なぜかは、分からないけれど……、」
キツネは、まめぴよのほうへ一歩近づき言いました。

キツネ「きみは、他人にとって自分は価値がない、なんて、考えているのだろうね。」
まめぴよは、ドキッとして、下を向きました。
キツネ「それから、きみは、他人に悲しい思いをさせることなんかも望まないのだろうな。」
キツネは空を見上げ、柔らかな風を受けながら言いました。
キツネ「で、きみは、なんでも受け入れるもんだから、臆病者と勘違いされて、都合のいいひとに扱われること多いだろうね。だから、自分には大切なともだちが”持てない”思ってる。」

まめぴよ「どうしてそんなこと、わかるの…?」
キツネ「それはさ、きみが、この本を選んで、この本を旅しにやってきたから。」

まめぴよ「本、選んでないよ!毎回、どこへ着くかも分からない旅をしているし……!」
キツネ「ハハ、きみというより、きみの黒い本が選んでるのかな。」
キツネは笑いました。
まめぴよは、「え?本がそんなことを?」と、黒い本を見つめました。

キツネ「”ほんとうに大切なともだち”が見えていなくても、きみは、不安に思うことはないよ。」
まめぴよ「……そんなこと言われても、すごく、不安だよ。」
キツネ「いいかい?きみは、”いま”、見えていないだけさ。長い旅なんだ、焦らず心で探してごらんよ。きみが探している”ほんとうに大切なもの”も見つけられる。」

まめぴよ「……王子さまも言ってた。心で探さないと見つからないって。」
キツネはニッコリとして、うなづきました。

キツネ「そろそろ時間だね。話し相手になってくれてありがとう。」
キツネはまめぴよのそばまで寄って来て、
くわえた切り絵をまめぴよのそばへ置きました。

キツネは、
「きみがこの長い旅を終えられること、祈っているよ。」と言って、
ぴょーんと草むらに飛び込み、立ち去っていきました。

(切り絵はTwitter Instagramにて、今夜UP予定)

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