100日曼荼羅アート 73日目-稲荷
☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
【ゆずいなり】
ゆずという名の神使のキツネが、ある村におりたったときのおはなし。
・・・まめぴよの作りかけた未完成の絵本の世界のようですが…。
【73日目】100日旅するまめぴよ 「ゆずいなり-2」ゆず
ゆず
雲にのみこまれたまめぴよは、気がつくと再び雲の上でした。
まめぴよ「はぁ、びっくりした……!!何だったんだろう??」
まめぴよは、ふと前回に自分の絵本に迷い込んだ時のことを思い出し
カバンから、特別な本を取り出しました。
まめぴよ「やっぱり、切り絵が増えてる。未完成の絵本だから、ページの進み方も普通じゃないんだ……。」
そして、黒い絵本も取り出してみると、また新しく1ページ開くようになっていました。
雲の上からゆずが何かを覗いているような絵が描いてあります。
まめぴよは、カバンに本をしまい、顔をあげると、黄金色のキツネが見えました。
この絵本の主人公、ゆずです。
まめぴよは、何かをのぞき込んでいるゆずのもとへ、行ってみることにしました。
まめぴよ「こんにちは。」
ゆず「こんにちは。あれ?キミはだれ?見かけない子だね?」
まめぴよ「本の外からの旅人なの。」
ゆず「本の外から?どこだろうそれは?」
まめぴよ「そうか、この本は誰の手にも渡っていない本だから、誰も旅しに来たことがない場所なんだっけ。」
ゆず「とりあえず、旅人なんだね!」
まめぴよは、コクリとうなずきました。
ゆず「ぼくは、ゆず。キミは?」
まめぴよ「まめぴよ、ていうの。」
ゆずの好きなこと
まめぴよ「なに、していたの?」
ゆず「地上の世界を覗いていたの。仕事が終わったら、よくここにくるんだ。」
まめぴよ「天上からは、こんなふうに見えるんだね。」
ゆず「地上ってホント、おもしろいよね。」
まめぴよ「穴は、たくさんあるの?」
ゆず「雲には、たまに色々なところに穴が開くんだ。ふつう穴は修復されてフタをされるんだけど、ぼくがこの穴好きだから、みんなが内緒にしてくれてて修復されずに残ってるの。」
まめぴよ「どうして、この穴が好きなの?」
ゆず「この穴からは、人間が住んでる小さな村が見えるんだけど、この穴から見える村の人たちはとても、一生懸命だし、楽しいんだ。」
まめぴよ「へぇぇ。」
ゆず「昨日なんかは、ちょうど秋祭りの日でね、人間をまねして踊ったりもしたよ。お囃子の音楽はここまで届くんだ。」
まめぴよ「なるほど、それで踊っていたのかぁ。」
ゆず「まめぴよは、旅人なんだっけ。地上には降りたことあるの?」
まめぴよ「うん、自分のお家は、地上にあって……。」
ゆず「え?!地上に住んでいたことがあるの?それはすごいや!あぁ、ぼくも、地上で過ごしてみたいなぁ。どんなに楽しいだろうか。」
まめぴよ「ゆずは、地上の世界がだいすきだもんね。」
と、話していると
まめぴよの足もとの雲がモクモクとふくらみはじめました。
まめぴよ「え?またモクモク??」
ゆず「え?まめぴよ、キミは雲使いだったの??」
まめぴよ「うわぁぁ……!」
まめぴよは、すっかり雲に包みこまれてしまいました。