100日曼荼羅アート 37日目-星
☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
【星の王子さま】
フランスの作家であり飛空士でもあったサン=テグジュペリによって書かれた物語。
砂漠に不時着した飛空士が、宇宙のどこかの星からやってきた小さな王子さまと出会います。
【37日目】100日旅するまめぴよ 「星の王子さま-5」実業家
実業家
この日も、まめぴよは渡り鳥の繋がれたブランコに座って目を覚ましました。
目の前に現れた星には、デスクに座って、何やら一生懸命になっている男がいました。
「こんにちは。」
まめぴよは挨拶をしました。
男「お前は何者だ。まさか私の仕事を横取りしに来たのではあるまいな?」
まめぴよ「あなたのお仕事を?」
男「なんだ、無知な者か。無知な者には、私の偉大さは分からないだろうな。」
お金持ち
男「私は、5憶もの星々を”所有”している男だぞ。」
まめぴよ「でも、こないだ会った王様はすべての星の王様って……。」
男「王様は、星々を”所有”じゃぁなく、”統治”をしているのだ。」
まめぴよは、なるほどと思いました。
まめぴよ「けれど、どうしてそんなに多くの星を”所有”できたんですか?」
男「私が、誰のものでも無い星を”所有する”ということを最初に思いついたからだ。数えた星は、ぜんぶ私のものだぞ。」
まめぴよ「そんなことが成り立つんですか…!」
男「私は、まじめで、仕事ができる。だから、数えた星ぜんぶを管理できるのだ。」
まめぴよは、男の言った”仕事”という言葉で、もとの世界で毎日会社に通い、仕事をしていたことを思い出しました。
まめぴよ「自分にも、仕事があったっけ……。」
男「そうだろう、そうだろう、大人には仕事が必要なのだ。」
男「あぁ忙しい、忙しい。お金持ちになることは、ほんとうに忙しい。」
まめぴよ「お金持ちになって、何かやりたいことや夢が、あるのですか?」
男「なんだって?夢など持ってもお金にならんし、意味がないだろう。しかしだな、星を所有すれば、お金持ちになれるぞ。お金持ちになれば、誰かが新しい星が見つけたときにはその星も買えるしな。シンプルなことじゃぁないか。」
シンプル?まめぴよは、混乱してきました。
夢には本当に意味がないのだろうか?
自分は、お金持ちになるために会社で働いていたわけではないし、
お金を増やすために、何かを得ようと思ったこともありません。
うーん……、と考え込んだあと、男に質問しました。
まめぴよ「…それは、お金持ちになるために、お金持ちになる、ということですか?」
男はデスクに向かって返事をしませんでした。
まめぴよには、男の言いたいことがよく理解できませんでした。
この日もまた、小さな流れ星が、
キラキラと音をたてながら、まめぴよの手元に切り絵を運んできました。