100日曼荼羅アート 36日目-お酒
☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
【星の王子さま】
フランスの作家であり飛空士でもあったサン=テグジュペリによって書かれた物語。
砂漠に不時着した飛空士が、宇宙のどこかの星からやってきた小さな王子さまと出会います。
【36日目】100日旅するまめぴよ 「星の王子さま-4」のんだくれ
のんだくれの星
この日も、まめぴよは渡り鳥の繋がれたブランコの上で目が覚めました。
次に見つけた星では、男の人がたくさんのお酒を抱えて、お酒を飲んでいるようです。
男「人がこの辺を通るなんて、久しぶりだな。」
まめぴよ「こんにちは。」
この星はけっこうお酒のにおいがきつかったので、
まめぴよは少し離れたところから挨拶しました。
忘れるため
まめぴよ「たくさんお酒がありますね。」
男「そりゃあ、忘れたいことがあるから、たくさん必要なんだがな。」
まめぴよ「忘れたいことですか……。」
男「きみにもあるだろう、忘れたいことの、ひとつやふたつ。そんなときは、飲むにかぎるがな。」
まめぴよは、忘れたいことに心当たりがないか思い返してみました。
まめぴよ「忘れたいこと、あったかな……。」
いくら思い返そうとしても、思いあたりません。
まめぴよ「うーん…。忘れたいことは、忘れたいことだからか、思い出せないみたいです。」
男「それはしあわせ者ですがな。私は、恥ずかしいことを忘れるため、飲み続けるしかないのですがな。」
あめぴよ「お酒を飲んで、恥ずかしいことを忘れるのですか?」
男「そうですがな。酒をやめれないことが恥ずかしいから、酒を飲んで忘れたいのですがな。」
まめぴよはこの星でも混乱してしまいました。
まめぴよ「たぶんなんですけれど……、恥ずかしいことがあったら、それを忘れずに、心にとめておいたほうが良いのかなと、思うんです。」
男「忘れたいことを覚えてないもんには、私の気持ちは分からんでしょうがな!」
男は怒って、またガブガブとお酒を飲み始めました。
「余計なこと言ってしまって、ごめんなさい。」
まめぴよは、何とも言えない落ち込んだ気分になりました。
そしてこの日も、キラキラと音を立てて小さな流れ星が、
まめぴよの手元に切り絵を運んできました。