100日曼荼羅アート 76日目-みのり
☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
【ゆずいなり】
ゆずという名の神使のキツネが、ある村におりたったときのおはなし。
・・・まめぴよの作りかけた未完成の絵本の世界のようですが…。
【76日目】100日旅するまめぴよ 「ゆずいなり-5」みのり
収穫
気づくとそこは、
再び、あたたかい日の光が降り注ぐあぜ道。
しかし、以前のときとは、まったく景色が違っていました。
稲の香る風が柔らかに吹きぬけ、
稲穂があたり一面を覆い、黄金色のかがやきが波打ちます。
実りの秋です。
まめぴよ「なんて美しい景色だろう。」
そして、遠くから、歌が聞こえてくるのでした。
歌の聞こえるほうに目をやると、
村人たちが、米の収穫をしているようです。
もちろん、その中にゆずも居ました。
まめぴよも、村人たちに混ざって、米の収穫を手伝うことにしました。
みんなで歌を歌いながらの収穫はとても楽しく、
まめぴよも時を忘れて汗を流しました。
ゆずの約束ごと
収穫を終えて、村人たちが帰るのを見送ったあと、
ゆずと、まめぴよは、小高い山の上にある神社へ帰りました。
まめぴよ「ゆずは神社に住んでいるんだね。」
ゆず「うん。少し待ってね、お茶をいれるよ。」
まめぴよ「どうもありがとう。」
ゆず「はい、めしあがれ~。」
ゆずは、湯を沸かして、とても香ばしい麦茶をいれてくれました。
まめぴよ「この麦茶、おいしいねぇ。」
ゆず「村の人たちが、分けてくれたんだよ。とっても良い香りだよね!」
まめぴよ「うん、こんなに香ばしい麦茶は初めて飲むよ。」
ゆず「村の人たち、とっても良くしてくれるんだ!今日収穫した米ができあがったら、秋祭りもあるんだ!ほら、天上でまねして踊ってた祭り!こんどは、雲の穴からじゃなく、目の前で楽しめるんだ!」
まめぴよは、村人とうちとけ、仲良くなっていくゆずのことが、すこし心配になりました。
まめぴよ「ゆずは、いつまで地上に居られるの?」
すると、ゆずの顔が少し曇りました。
ゆず「年が明ける前に、天上に帰らないといけない約束。」
まめぴよ「ここに居られるのは、あとすこし、なんだね。」
ゆずは、コクリとうなずきました。
ゆず「そうだ!村の人たちが、渋柿をつるしてくれたんだ。きっと、そろそろ食べごろだよ!まめぴよ、一緒に食べようよ!」
ゆずは、外に干してある干し柿を指さし言いました。
まめぴよ「うん、そうしよっか。」
まめぴよと、ゆずは、外に出ると、落ち葉の香りで深呼吸をしました。
すると、またまたつむじ風がやってきて、
落ち葉と共にまめぴよを包んだかと思うと、空へ消えていきました。