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【35日目】100日旅するまめぴよ 「星の王子さま-3」うぬぼれ男

100日投稿

100日曼荼羅アート 34日目-帽子

☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
星の王子さま
フランスの作家であり飛空士でもあったサン=テグジュペリによって書かれた物語。
砂漠に不時着した飛空士が、宇宙のどこかの星からやってきた小さな王子さまと出会います。

【35日目】100日旅するまめぴよ 「星の王子さま-3」うぬぼれ男

渡り鳥のブランコ

この日、まめぴよは渡り鳥の繋がれたブランコに座っていました。
渡り鳥たちに運ばれて、星々の間を飛んで進みました。

モモと別れて未だ、寂しさの癒えないまめぴよでしたが、
宇宙をこんな風に飛んで旅をすることができるなんて、なんてすてきだろう。と、
美しい星々の景色を味わっていました。

男「ついにやってきたか、私を褒めたたえるやつが!」
帽子をかぶった男が、遠くからまめぴよを見つけるなり叫んで言いました。

まめぴよ「渡り鳥さんたち、あちらの星へ向かってくれる?」
まめぴよは、その男のいる星に近づきました。

うぬぼれ男

まめぴよ「こんにちは。」

男「やぁ、久しぶりの来客だな。お前さんはどこから来たんだ?」
まめぴよ「本の外からやってきました。すてきな帽子をかぶっていますね。」

男「きみ、良くわかっているじゃないか、そうだろうそうだろう。」
男は満足げに、まあるいお腹を突き出しました。
男「私は、帽子選びも、服のセンスも、バツグンに良いのさ。」

この星は、うぬぼれ男の星でした。

まめぴよ「あのう…ここのページの切り絵を探しているのですが、ご存じですか?」
男は何も答えませんでした。
なぜなら、この男には、自分を褒めたたえる言葉しか届かないのです。

男「私は、この星でいちばんオシャレで、頭も良く、とびっきり金持ちだ。さぁ、思う存分に、私を褒めたたえるがいいぞ。」

まめぴよは、少し困ってしまいました。
この星でいちばんといっても、この星にはこの男ひとりしか住んでいませんし……。

男「何をすれば、人生を楽しくできるか知っているかい?」
まめぴよ「どうしたらいいのですか?」
男「その答えは、他の誰かよりも上の地位に立つこと。そして、他の誰かよりも褒めたたえられる人物になることさ。私は、そのための努力は惜しまないぞ。どうだ?すごいだろう?」

誰よりも…

まめぴよには、男の言うことが、よくわかりませんでした。
まめぴよ「あなたは、”他の誰かよりも”って言うけど、他の誰かと比べなくても、人生は楽しくできると思うんです…。」
男は何も答えませんでした。
なぜなら、この男には、自分を褒めたたえる言葉しか届かないのです。

男「さぁ、私は誰よりも努力を重ね、素晴らしい人間なのだ!遠慮せず褒めたたえてくれ!私を、よろこばせてくれ!」

まめぴよ「褒めたたえられるための”努力を重ねられること”は、立派と思います…。」
男「お前、それは、私のことをほんとうに褒めているのか?」

まめぴよは、何も言えなくなって口をむすびました。

そこへ、キラキラと音を立てながら、
ちいさな星が切り絵を運んで、まめぴよの手元に飛んできたのでした。

(切り絵はTwitter Instagramにて、今夜UP予定)

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