100日曼荼羅アート 33日目-夕陽

☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
【星の王子さま】
フランスの作家であり飛空士でもあったサン=テグジュペリによって書かれた物語。
砂漠に不時着した飛空士が、宇宙のどこかの星からやってきた小さな王子さまと出会います。
ひとりの旅
目を覚ますとそこは、煙の出ている小さな火山が見える静かな場所でした。
まめぴよ「こんな場所ディズニーランドにあったかなぁ…?ねぇ、モモ…?」
まめぴよは、ハッとして、あたりを見まわしました。
一緒にディズニーランドのパンフレットを旅していたはずのウサギのモモは、どこにもいません。
「急に、そんな…。」
モモは、あのページがパンフレットの最後のページだったことを、気づいていたのでしょうか。
そして、旅の目的をすべて果たし、モモの旅の最後のページとなったのでしょうか。
男の子
うしろから声をかけられました。
「ねぇ、どうしてそんなに悲しそうな顔をしているの?」
振り返ると、ちいさな男の子がいました。
若草色の服に、黄色いスカーフ。そして金色の髪。
まめぴよは、本棚にある『星の王子さま』の本のさし絵を思い出しました。
まめぴよ「もしかして…」
王子さま「ねぇ、どうしてそんなに悲しんでいるの?」
まめぴよ「あ、えぇと、一緒に旅していた大切なともだちと、さよならも言わず突然お別れになっちゃって…。」
王子さま「…それは、悲しいね。」
王子さまは静かに言いました。
夕陽
王子さま「ぼくは夕陽がすごく好きなんだ。」
まめぴよ「夕陽は、キレイだよね。」
王子さま「ねぇ、僕と一緒に夕陽を見ようよ。早く立って。」
まめぴよ「えぇと、まだ、朝が来たばかりだよね?」
王子さまはまめぴよの手を引きました。
王子さま「ぼくの星、とっても小さいんだ。だから、少し歩けばすぐ夕陽を見られるよ。」
ふたりは少し歩いて夕陽の見える場所につきました。
まめぴよ「夕陽が沈んでも、数歩あるけばまた夕陽が見られるんだね。」
王子さま「そうさ。いつだったか、僕は44回も夕陽を見たよ。」
まめぴよ「そんなに見たの……?」
そして、
まめぴよと王子さまはふたり並んで、夕陽を静かに眺めました。
王子さま「ほんとうに悲しいときは夕陽を見たくなるよね。」
まめぴよ「……うん、そんな気がする。」
夕陽が半分ほど沈んだ時に王子さまは言いました。
「けれど、きみはここでのんびりはしていられないだろう?」
王子さまは、切り絵を取り出しまめぴよに渡しました。
「また、会いに来てね。」
「うん。どうもありがとう。」
まめぴよは静かにこたえ、切り絵を受け取りました。