100日曼荼羅アート 99日目-高千穂

☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
【古事記】
現存する日本最古の歴史書とされている書物。上・中・下の全3巻からなる。
和銅5年に太安万侶が編纂して、元明天皇へ献上された。
(青空文庫・現代語訳 古事記)
・・・そんな最古の書物に迷い込んだまめぴよは、どんな出会いをしていくのか……?
まめぴよはアレンジ&簡潔にしてしまった古事記を旅して進んでいきますので、ぜひ、現代語訳古事記の本自体を、お手に取ってみてくださいね!なるほども、残酷も、さまざまでたいへん興味深い内容でいっぱいです、ぜひ!

現代語古事記
高千穂峡
目を覚ますと、まめぴよは、小舟の上に乗っていました。
そこは断崖がそそり立つ美しい峡谷で、
ところどころから、水が溢れ、滝となっていました。
まめぴよ「ここ、高千穂にそっくりだ……。」
まめぴよは、大きな滝を見上げました。
「まめぴよどのは、元の世界でも、こちらへ参ったことがおありか?」
とつぜん、船の前から声が聞こえました。
まめぴよは驚いて、声のしたほうを見ると、
目の前には、古事記の最初のページに居た太安万侶が居たのでした。
まめぴよ「やすまろさん!!!」
古事記 上巻かみつまき
太安万侶「ご無事で何より。」
まめぴよ「やすまろさん、危険はないって言ったけれど、けっこう危ないところありました!」
太安万侶「あなたは人の言葉をよく覚えておいでですね。ほっほっほ。」
まめぴよと太安万侶は、小舟に乗って高千穂峡を進みました。
太安万侶「古事記の旅は、いかがでしたかな?」
まめぴよ「止めたいことも止められず、何とかしたいことも何ともできず、無力さもたくさん感じてきました。けれど、自分の理解のおよばないことがあっても、ものごとは進み、道は続き、繋がっていくこと、感じてきました。」
太安万侶はウンウンと深くうなづきました。
太安万侶「そう。そのお気持ち、たいへん大切なことでございますよ。各々が各々自身で認識せねば、各々の運命や人生は何も変わらないのです。たとえ、各々の傍にいて何も変えることができなかったとしても、各々の進む道に、あなたが肩を落とすことはないのです。そして、そこに無力さを感じることは、あなたの自由ということ。それを、認識することができれば、大きな一歩となりましょうな。」
まめぴよは、深くうなづきました。
まめぴよ「いろんな神様たちに出会えて、よかったです。」
太安万侶「様々な性格の神々に会われ、それぞれの出会いで、良さも感じてこられたのは、本当によかった。あなたのカギのかかった小さな箱が、数々開かれてきたのが分かりますぞ。」
まめぴよ「カギも箱も見つけていないのに、たくさん箱が開いたの?」
太安万侶「おや?あなたは、気づいておいででないのか?ほっほっほ。」
最後の小話
太安万侶「さてさて。上巻は、このページで最後でございます。古事記・上巻の長旅、お疲れでございましたな。最後に小話をしてお別れいたしましょう。。。」
と、太安万侶は話を始めました。
ホオリノミコトとトヨタマビメの御子、鸕鶿草葺不合尊は、叔母であり育ての親のタマヨリビメと結婚をして、彦五瀬命、稲飯命、三毛入野命、彦火火出見尊の4神を授かりました。
ここで、古事記の上巻は終わります。
末っ子の彦火火出見尊が、天照大御神の五世の孫であり、初代天皇の神武天皇となるお方でございます。
中巻から、末っ子の彦火火出見尊が、兄の彦五瀬命と共に、日向から大和国への東征に向かう物語が語られてゆきます。
ここの巻に、『日本国の建国された精神』が色濃く表われているといえましょう。。。
太安万侶「楽しんでいただけましたかな。そろそろ、さよならの時間ですな。こちらが、古事記上巻、最後の切り絵でございますよ。」
まめぴよ「やすまろさん、色々とありがとうございました。」
まめぴよは、ペコリと頭を下げました。
太安万侶「あなたと出会え、話ができ、良かったです。さぁ、お行きなさい。」
まめぴよは、「はい。」と、
受け取った切り絵を、新しいページに貼りつけました。