100日曼荼羅アート 88日目-八岐大蛇

☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
【古事記】
現存する日本最古の歴史書とされている書物。上・中・下の全3巻からなる。
和銅5年に太安万侶が編纂して、元明天皇へ献上された。
(青空文庫・現代語訳 古事記)
・・・そんな最古の書物に迷い込んだまめぴよは、どんな出会いをしていくのか……?
まめぴよは簡潔にしてしまった古事記を旅して進んでいきますので、ぜひ、現代語訳古事記の本自体を、お手に取ってみてくださいね!なるほども、残酷も、さまざまでたいへん興味深い内容でいっぱいです、ぜひ!

現代語古事記
【88日目】100日旅するまめぴよ 「古事記-8」八岐大蛇やまたのおろち
川辺の村
目を覚ますと、そこは川辺の村でした。
まめぴよは、地上の世界へおりてきたようです。
てくてくと川辺を歩いていると、
おじいさんとおばあさんが、若い娘をはさんで泣いている様子です。
まめぴよは、その3人のところへ行ってみました。
大きな足音
まめぴよ「どうか、されたのですか?」
老翁「おぉ、そなたは旅のお方か、お見苦しい姿をお見せしまして。」
老女「私たちは、この子の命が化け物に狙われており、大変悲しく泣いているのです。」
娘「あなたは、どなた?」
まめぴよ「本の外から参りました。まめぴよと言います。」
娘「まぁ、本のお外から。」
そこへ、どしんどしん、とあたりを振動させ
大きな足音が近づいてきました。
3人と、まめぴよは、どっきりして、その音のする方向へ目をやりました。
再会
よくよく目を凝らして見ると、それは見覚えのある姿でした。
その足音の正体は、スサノヲノミコトでした。
まめぴよ「スサノヲさん!!」
まめぴよたちのもとへたどり着いたスサノヲは言いました。
スサノヲ「おぉ、まめぴよではないか!こんなところにまで追ってくるとは、そんなにワシが恋しかったか!あっはっは!!」
と、笑いました。
スサノヲ「ところで、そのお三方よ、そなたら、何者じゃ?なぜ泣いておる?」
老翁「わたくしはこの国の神、大山津見神の子、アシナヅチ、妻の名はテナヅチ、娘の名はクシナダヒメでございます。」
老婆「わたくしたちには、もともと8人の娘がおりましたが、毎年この時期に大蛇が現れ娘が食われておりまして、もうすぐ末娘のクシナダヒメまでも食われてしまうため、泣いておるのでございます。」
スサノヲ「その大蛇とは、どんなものじゃ?」
老翁「八岐大蛇と呼ばれまして、頭八つ尾が八つ。体には、コケや木が生え、その長さは谷八つ峰八つ。見れば、腹はタダれ、血を垂らしておる大蛇でございます。」
それを聞いたスサノヲは言いました。
スサノヲ「この娘さんを私にください。」
まめぴよは、この会話を聞いていて、
「え?いきなりどういうこと??」と思いましたが、
ふつうに老翁とスサノヲの会話は続きます。
老翁「失礼ですが、あなたはどなた様でしょうか?」
スサノヲ「わたくしは天照大御神の弟、スサノオノミコトで、ただいま天界から下ってきたところです。」
老翁・老婆「それはそれは、恐れ多いことでございます。娘を差し上げましょう。」
オロチ退治
クシナダヒメを嫁にもらったスサノヲは、クシナダヒメをクシに変えて髪に刺しました。
まめぴよ「そっか、山の神様の力を、得られるんだね!」
スサノヲ「うむ、そのとおりだ!」
そして、アシナヅチ、テナヅチに命じて、八つの入り口をつけた囲いを用意し、その八つ各々にとても濃い酒の桶を準備することを指示しました。
そうこう準備して待っていると、ほんとうに八岐大蛇が現れました。
そうして、八つの頭はそれぞれ、酒の桶に頭を突っ込み、酒を食らいはじめました。
あっという間に酒を飲みほした大蛇は、ぐっすり眠ってしまいました。
まめぴよ「スサノヲさん、オロチ眠っちゃいましたね。」
スサノヲ「うむ、作戦通りじゃ。よし行くか!!まめぴよ、よぉく見ておれよ!」
と、スサノヲは剣を取り出し、眠っている大蛇を切り刻んでしまいました。
その途中、尾っぽを切っていると、剣の歯が欠けたので、これはどうしたことかと、よくよく見てみると、中から立派な剣が現れました。
スサノヲ「これは不思議。素晴らしい太刀であるな。姉上に献上しよう。」
このとき献上されたのが、三種の神器のひとつ、草薙の剣です。
日本最古の和歌
八岐大蛇が無事倒され、クシナダヒメは救われました。
クシナダヒメ「まめぴよどの、お見守りくださりありがとう。こちらをお持ちくださいませ。」
と、切り絵を渡されました。
まめぴよは、お礼を言って、切り絵を受け取りました。
そして、切り絵を新しいページに貼りつけました。
ページをゆく途中、
眠るまめぴよの耳にスサノヲの和歌が聞こえてきました。
八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣を
スサノヲはクシナダヒメを妻に迎え、出雲の国に宮殿を建てることとしました。
そこで、歌われた、日本最古の和歌と呼ばれるものがこちらです。
【和歌】
八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣を
【意味】
幾重にもかさなる雲がたちのぼる
出雲に立つのは幾重にも重なる垣根のような雲だ
妻と住む宮のために幾重にも重なる垣根を作ろう
そう、たくさんの垣根を
青空に幾重にも重なる雲、そんな出雲の壮大な景色をのぞみながら
スサノヲノミコトは、大きなお宮を経て、国を作ったのかなぁ。
きっと、奥さんと、しあわせに暮らしたんだね!
と、まめぴよは、夢の中で思ったのでした。