100日曼荼羅アート 28日目-トゥーンタウン
☆まめぴよが現在迷い込んでいる場所
【『東京ディズニーランド』のガイドマップ】
本棚にしまってあった、ディズニーランドのガイドマップに迷い込んでしまいました。
ガイドマップなので、本のときのような登場人物は存在して居ないようです。
【28日目】100日旅するまめぴよ 「東京ディズニーランド-4」
鐘の音
今日の朝は、噴水前で目が覚めました。
今回も、まめぴよとモモのふたりは、一緒にページを進んでいました。
モモ「まだ一緒に居れてるね!」
お互いに顔を見合わせて、ホッと安心しました。
まめぴよ「ここ、トゥーンタウンだね。」
そこへ、鐘の音が鳴り響きました。
ゴーンゴーーーン
ゴーンゴーーーン
音は、シティホールから聞こえているようです。
ふたりは、シティホールの入り口へ向かいました。
音は、静かな街の中に鳴り響きます。
シティホール
まめぴよ「ドアのカギあいてるね、中に入れそう。」
まめぴよは、シティホールの扉を少しあけ、中をのぞき込みました。
窓から光が差し込む建物の中には誰もいません。
ふたりは、静かに建物の中に入りました。
まめぴよ「鐘の音、止まったね。」
モモ「…そうだね。」
まめぴよ「何か、あるのかな…?」
ふたりはシティーホールの真ん中から、静かな建物の中を見まわしました。
モモ「実はね、前に、紫のカギを見つけたときには、そのあとのページで、ラベンダーの花が描かれた木箱を見つけたの。」
まめぴよ「じゃあ、カギと木箱がペアになってるんだ…?」
モモ「うん、前回はそうだった。その木箱、紫のカギで開けることができたの。」
まめぴよ「それじゃあ、その木箱が、昨日話していた”心の箱”ということ…?」
モモ「そう、その箱が、”心の箱”だったの。」
ラベンダーの木箱
モモの話によると、前の本で見つけたラベンダーの木箱はモモの”心の箱”で、紫のカギで箱を開けると、映像が写しだされ始めたということでした。
その映像は、モモが元の世界で路上ライブをして毎日歌っていたときの姿で、
モモの歌で足を止めた人たち、応援してくれるファンたちの目線からのものでした。
そして…
映像からは、足を止めた人たちの思っていることや、感じている心の声が聞こえてくるのでした。
「いい歌、うたうね」
「超ひびくねぇ」
「なんか、泣けてきちゃう」
「モモちゃんだから書ける歌だよね」
「モモちゃんの歌、ほんとすき」
観客たちから聞こえてくる心の声を知り、
モモは自分の作ってきた歌に愛おしさを感じ、自信を持ち直すことができたのでした。
もうひとつの”心の箱”
モモ「その箱開けたことで、自分の歌を感じ取ってくれてる人たちの気持ち、初めてわかることができたの。他人の表現するものと、自分の表現するものは、比べることじゃなかったんだ、って、ね。」
まめぴよ「うん、そうだね。そう思うよ!」
モモ「ほんとにね、応援してくれる人たちに失礼なことしてた。」
モモは、恥ずかしそうに笑いました。
まめぴよ「モモ、よかったね。だいじなこと、見つけられたね。」
モモ「カギがあったから、きっと、また箱もあるんだと思うんだけど…」
まめぴよ「この中探してみようよ!」
モモ「そうだね、ありがとう。」
ふたりは、シティーホールの中を探し始めました。
デスクの上や、棚の中、金庫の中、様々な場所に、様々な色の箱がたくさんありました。
ずいぶんと時間をかけて探しましたが、どの箱も、モモの”心の箱”と思われるような箱は見つかりません。
モモ「ここには無いのかもしれない、はやく切り絵を見つけて次のページへ行かないと。」
まめぴよ「…え?急ぐ必要があるの?」
モモ「まめぴよは、ひとつのページに長く滞在したことがないの?本の外から来た旅人は、一定時間以上、ひとつのページに滞在していられないのよ。」
まめぴよ「それって、どういうこと?」
モモ「私たち、毎回、朝に新しいページに着くでしょう?そして、そのページの切り絵を見つけて本に貼ると暗闇に包まれて、夜が来る。そして、また次の新しいページへ行くよね。自分たちが切り絵を貼って暗闇を呼ぶ前に、日没が来ると、暗闇にのみ込まれて、どこへ飛ばされてしまうか分からないんだっていう話よ。」
まめぴよ「そんなことになっちゃうの、知らなかった…。」
(悟空やみんなが早く次のページへって言ってたのは、そういう意味もあったのかな…。)
日没
シティホールの窓から外を見ると、日か傾き始め、オレンジ色に染まってきていました。
まめぴよ「本の中だと、元の世界よりはやく、時間が過ぎる気がするね。」
モモ「ほんとだ!もう夕焼け!まめぴよ、箱はもういいよ、切り絵を探そう!」
まめぴよ「この建物の中に、ありそうなのにね…まだ探してない部屋もあるし。」
モモ「そんな気はするけど、はやく次のページへ急がないと闇にのみこまれちゃう。」
まめぴよ「モモ、ここで箱を探していて!切り絵、探してくるから!」
まめぴよは、モモをシティーホールに置いて、急いで外へでていきました。
まめぴよ「はやく切り絵を見つけなくちゃ!」
(といっても、切り絵は、どこを探したらいいだろう…)
そこへ、いい香りがまめぴよの鼻を誘いました。
「…この香り、だいすきなあの香りだ!」
まめぴよは、香りのもとのワゴンに走り寄りました。
「やっぱり!揚げたてアツアツのスプリングロールだ!」
ワゴンには、2本のスプリングロールが用意されていました。
それは、卵サラダとエビの入った揚げ春巻き!
そのパッケージには、切り絵が巻き付いています。
「見つけた!これだ!」
西側の空を見ると、ほとんど日は沈みかけ、空は、オレンジ色から紫色のグラデーションに変わってきています。
そして、街を見渡すと、街の外側の影になった場所はが真っ黒に見えます。
まめぴよは、目を凝らしてみましたが、いくら見ても影は墨のように真っ黒で、
暗闇が波のように迫ってくるようです。
「本当に闇にのみこまれちゃうのかも。はやくモモに切り絵を届けなくちゃ!」
まめぴよは、2本のスプリングロールを握ると、急いでモモのいるシティーホールへ走り出しました。
暗闇
まめぴよ「モモ!!もうそこまで暗闇が!はやく本を出して!」
モモは、ホールの壁にかかっているいくつもの小さな絵の前で見て立ち尽くしていました。
モモはひとつの絵を指さし言いました、
モモ「まめぴよ、これ、私にそっくりな絵が…」
暗闇がシティーホールの窓にまで迫り、扉からは、暗闇の波が入り込んできました。
まめぴよは、スプリングロールから切り絵をはがし、
モモへ押し付けました。
まめぴよ「いそいで!!」