100日曼荼羅アート 87日目-鏡
☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
【古事記】
現存する日本最古の歴史書とされている書物。上・中・下の全3巻からなる。
和銅5年に太安万侶が編纂して、元明天皇へ献上された。
(青空文庫・現代語訳 古事記)
・・・そんな最古の書物に迷い込んだまめぴよは、どんな出会いをしていくのか……?
まめぴよは簡潔にしてしまった古事記を旅して進んでいきますので、ぜひ、現代語訳古事記の本自体を、お手に取ってみてくださいね!なるほども、残酷も、さまざまでたいへん興味深い内容でいっぱいです、ぜひ!
現代語古事記
【87日目】100日旅するまめぴよ 「古事記-7」天岩戸あまのいわと
作戦会議
目を覚ますと、そこはまだ空は暗く、昼なのに夜のよう。
たいまつを囲み、八百万(非常にたくさん)の神々があつまって、会議中のようでした。
八百万の神々は、高御産巣日神(天地のはじめにお生まれになった神様)の子、思金神(思慮の神)の提案に従って、神々は天照大御神を岩戸から出す作戦を立てました。
1 海外の国から渡ってきた長鳴鳥(鶏)を集めて鳴かせる
2 イシコリドメノミコト(作鏡連の祖神)に鏡を作らせる
3 大きな勾玉のたくさんついた勾玉の緒を、玉祖命(玉造部の祖神)に作らせる
4 天児屋命(祝詞の神)布刀玉命(祭祀の神)を呼び寄せ、占いをさせた
5 天のカグ山の榊と、勾玉の緒や麻などを、鏡にかけて、布刀玉命がささげ持つ
6 天児屋命が莊重な祝詞を唱える
7 アメノウズメ(芸能の神)が岩戸がの前に桶を覆せて、それを踏み鳴らし踊る
8 天之手力男神(腕力の神)が、天照大御神を引っ張り出す
ということで、神々はアマテラスを引っ張り出すため、
さまざまな準備を整えたのでした。
まめぴよは、日本の神様たちは、不思議なチカラも使えたりもするのに、
みんなで話し合ってものごとを決め、力を合わせて解決へ向かう姿があり、
すてきだなぁと思いました。
岩戸のすきまから
そして、作戦は決行されたのでした。
祝祭のようなどんちゃん騒ぎが始まり、アメノウズメの激しい踊りに、神々は大笑い。
たいへん楽しく、にぎやかなようすでした。
すると、アマテラスの隠れている岩戸の岩が、ほんのすこし動いたような気がしました。
岩の近くにいたまめぴよが、その隙間にぴょこぴよこと走り寄ってみると、アマテラスが言いました。
アマテラス「そこにおるのは、まめぴよか?」
まめぴよ「はい、まめぴよです。みなさんの笑い声、お耳に届きましたか?」
アマテラス「私が隠れて、みなが困っているであろうに、なぜウズメは舞い踊り、多くの神々は笑っておるのじゃ。」
まめぴよとアマテラスの会話に気づいたアメノウズメが答えました。
ウズメ「あなた様に勝って、とうとい神様がおいでになりますので、みなで楽しく遊んでおります。」
という間に、布刀玉命と、天児屋命が鏡を差し出し、アマテラスを映し出しました。
不思議に思ったアマテラスは、その神をよく見ようと、少し岩戸から身を出したところ、岩戸の陰に隠れていた天之手力男神が、アマテラスを引っ張り出し、布刀玉命が、岩戸の入り口にしめ縄を引いて「これから内にはおかえり入り遊ばしますな。」と言いました。
まめぴよ「ものすごいチームワーク!!」
と、まめぴよが、すばらしく感激していると、
天界も地上の世界も、自然と明るく照らされ始めました。
アマテラスが、岩戸から出たことにより、あらゆるわざわいが晴れていったのです。
そして、神々は相談をして、スサノヲにたくさんの品物を出させ罪を償わせ、
ヒゲと手足の爪も切らせて、天界から追い出すことを決めました。
まめぴよ「スサノヲさん、スッキリしましたね!」
スサノヲ「まめぴよ、そなたともさらばじゃな。」
と、スサノヲは言うと、まめぴよに切り絵を差し出しました。
まめぴよ「・・・なんだか、寂しいです。」
スサノヲ「また縁があれば、会えるであろう。」
まめぴよは、コクリとうなづくと、切り絵を受け取りました。