100日曼荼羅アート 23日目-金木犀
☆現在まめぴよが迷い込んでいる物語
【西遊記】
仙石が石卵から生まれた石ザルは、サルの王になる。
石ザルは、仙術を学ぶため仙人にに弟子入りし孫悟空という名を授かります。天界で大暴れし、如来の五本の指が変じた五行山に封じられます。
それから500年。如来は、下界の乱れを案じ”三蔵の真経”を立派な僧に託すことを決め、如来の命を受けた観音菩薩は取経にふさわしい人物、玄奘を見つけ出します。”三蔵の真経”を授かりに行くことから、玄奘は三蔵と名乗り、天竺をめざして西へ旅立ちました。
【23日目】100日旅するまめぴよ 「西遊記-11」観音菩薩
雲海
まめぴよは、無事次のページへたどり着くことができました。
目の前には、ずっとずっと遠くまで雲海が広がります。
「ここは、どこだろう…?」
「なんだったんだ…頭がクラクラするな…」
なんと、そばには紅孩児が頭を抱えていました。
まめぴよ「紅孩児までいっしょに来ちゃってる…!」
まめぴよは、あとずさりしました。
「おい!おまえ!!父上の本を勝手に持ち出すとは無礼なやつめ!!」
紅孩児は剣を抜きました。
「これは、あそこにあっちゃいけないものだから!」
まめぴよは震えながらも、2冊の本をギュッと抱えました。
紅孩児「…まぁいいか。お前がうばった2冊と、おまえの黒い本を合わせて、3冊持ち帰ればいいことだな。殺されたく無くば、さっさと本を手放し旅を諦めろ。」
まめぴよ「もし本を手放したりしたら、牛魔王の作りたい世界に近づくということなんでしょ?そんなの、三蔵さまたちが大変な苦労に合うじゃないか!」
紅孩児「フン!そんなこと、元の世界へ戻れば、おまえには全く関係の無いことだ。何の能力もないおまえは、命を狙われ、危険な目に合うことは避けられない。おまけに、おまえは旅の目的を知らぬと見た。そんな、何も得ない旅を続けるなど、無意味でしかなかろう。」
まめぴよのうっすら透き通っていた手が、くっきりとしてきました。
そして、その手をグッとにぎり言いました。
「そりゃ旅の目的は分からないけれど…。この本が、自分にとても大切なものなのは感じてる!手放したりなんかしない!」
紅孩児「そんなに本を手放したくないのなら、お前を食らってやろうな。本の中とて、命を落とせば、元の世界でもお前の存在が消えるそうだぞ。せいぜい後悔するといいさ。」
まめぴよ「…たとえこれからがつらい道でも、自分の選ぶ道を後悔なんてしないよ!」
「まめぴよよ、よくぞ言いました。」
観音菩薩
雲海から、観音菩薩が現れました。
菩薩「紅孩児よ、まめぴよからお離れなさい。」
紅孩児「やい菩薩め!邪魔をする気か!」
観音菩薩は黙して答えません。
紅孩児「おい!邪魔をする気かと聞いているのだ!」
と、紅孩児は菩薩に向かってとびかかり、剣を突き刺しました。
すると、菩薩はパッとひとすじの金光となり、空に飛び去りました。
紅孩児「あっはっは、ひと突きで、あっけなく消えてしまったぞ。まめぴよよ、残念だったな。おまえを救うことは、菩薩とて無理なのだ。」
と、笑いました。
すると、菩薩は風を迎えて再び現れ、
「無礼者め!」
と、5つの輪を紅孩児めがけて投げつけました。
「着け!」
と叫ぶと、ひとつは頭、ふたつは左右の手、あとのふたつは左右の足にピタリとはまった。菩薩が印を結び、何やら呪文を唱えると、紅孩児は、もだえ苦しみ転げまわりました。
菩薩が呪文を止めると、痛みは消え
「菩薩様、お慈悲持ちまして、命をお助けください。」
と、紅孩児は菩薩の前にひれ伏しました。
西天へすすめ
菩薩「まめぴよよ、厳しい状況にも旅を諦めず、よくぞ本を手放しませんでしたね。そなたの意志は、宝となるでしょう。西天めざし、おすすみなさい。」
菩薩が差し出した光の中から、切り絵がふわりと現れました。
まめぴよは、一礼し、その切り絵を受け取ると、自分の本へ貼りつけました。