100日曼荼羅アート 14日目-芍薬
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☆現在まめぴよが迷い込んでいる物語
【西遊記】
仙石が石卵から生まれた石ザルは、サルの王になる。
石ザルは、仙術を学ぶため仙人にに弟子入りし孫悟空という名を授かります。天界で大暴れし、如来の五本の指が変じた五行山に封じられます。
それから500年。如来は、下界の乱れを案じ”三蔵の真経”を立派な僧に託すことを決め、如来の命を受けた観音菩薩は取経にふさわしい人物、玄奘を見つけ出します。”三蔵の真経”を授かりに行くことから、玄奘は三蔵と名乗り、天竺をめざして西へ旅立ちました。
小さな農村
目を覚ますとそこは、小さな農村のようでした。畑仕事をしている人たちがいます。
「人がいる…」
ここには、妖怪は居なそうです。
まめぴよは、ほっと胸をなでおろし、歩き出しました。
「八戒さんと、悟浄さん探さなくちゃ」
岩山の寺院
まめぴよは畑の横でひと休みしてるお爺さんに話しかけました。
まめぴよ「すみません、人を探しているのですが…」
お爺さん「おや、久しぶりじゃな、外から人が来るのは。誰を探してるって?」
まめぴよ「猪八戒さんと沙悟浄さん、ご存じですか?」
お爺さん「あぁ、おふたりならあの岩山の中腹にある寺におるよ。最近、妖怪たちに村を荒らされていて困っていたもんで、退治してもらったところなんじゃ。」
まめぴよは驚きました。
「村にもふつうに妖怪が出る世界なのか…」
少年「わたくしが、おふたりのもとへご案内いたしましょう!」
後ろから、少年が声をかけてきました。
少年「さ、こちらへどうぞ!」
道案内
まめぴよ「ご親切に、どうもありがとう。」
少年「いえいえ、とんでもございません。外からのお客様を放っておくわけにはいきませんので。」
まめぴよ「あの、八戒さんと悟浄さんとは、お知り合い…ですか?」
少年「まぁ、そんなようなものですね。あなたさま、お名前は?」
まめぴよ「まめぴよです。きみは?」
少年「名乗るようなものではございませんから。」
と少年は笑いました。
少年とまめぴよは、岩山の入り口までたどりつきました。
少年「さ、あとは、こちらの階段を上るだけです!」
ふたりは長く続く石の階段をのぼり始めました。
少年「あなた、素敵な本をお持ちですね。」
まめぴよ「あぁ、これ…。不思議な本、だよね。」
少年「あなた、その本のこと、あまりご存じなさそうで…。」
まめぴよ「きみは、この本のこと知ってるの?」
バンッと、上のほうから扉を開ける音がしました。
寺院の門
音のした階段上方を見ると、寺院の門から頭がブタの人物が飛び出してきました。
猪八戒「おかしいな…!ニオったのに。」
まめぴよ「…あれが…八戒さん?」
と、隣に目をやると、隣にいたはずの少年の姿はそこにはありませんでした。
八戒はキョロキョロしたあと、走り寄り、まめぴよを抱え上げました。
猪八戒「よし、おまえ!!まっていたぞ!!」
まめぴよ「あ、あの…」
まめぴよは、寺院の中に連れていかれました。
猪八戒と沙悟浄
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まめぴよは、寺院の中の椅子におろされました。
猪八戒「おかしいな、確かにニオったと思ったのにな。」
沙悟浄「酒の飲みすぎじゃないのか?調子に乗ってると、お師匠さまに叱られるぞ。」
猪八戒「酒に酔ったって、俺の鼻は確かだ!」
まめぴよ「…あの」
沙悟浄「やぁ、すまない。まめぴよ待っていたよ。兄貴から話は聞いている。」
猪八戒「これが必要なんだろう?」
八戒は、花を形どった切り絵を差し出しました。
猪八戒「だが、次のページ行く前に、この肉まん食ってきな。村人を助けた礼に、たんまり酒と食い物いただいたもんでね!」
まめぴよ「…ありがとう。」
まめぴよは、皮がポワポワの大きな肉まんにかぶりつきました。
まめぴよ「…これ、おいしい。」
猪八戒「がっはっはっ、これでお前も同罪だ。お師匠様には村人からの礼のこと、内緒にしておけよ!」
沙悟浄「まめぴよ、食事は気にすることは無い、小さい農村だが、ここの村人たちはわりかし裕福なのだ。その証拠に、このような立派な寺院がある。」
猪八戒「ちょっと、からかっただけじゃねぇか。」
沙悟浄「どうだか。」
まめぴよは、大きな肉まんと、アツアツのジャスミン茶をごちそうになりました。
沙悟浄「まめぴよ、気を付けて進むんだよ。この本には危険がいっぱいだ。しかし、その分、得られることも大きいことだろう。」
猪八戒「あと、お師匠様のいうことは、しっかり聞いとけよ!」
沙悟浄「お前が言うな。」
猪八戒「がっはっはっ…」
3人で大笑い。
まめぴよは、久しぶりに笑いました。
まめぴよ「本当にありがとう、悟浄さん、八戒さん。それじゃあ。」
まめぴよは、黒い本に切り絵を貼りつけました。