【5日目】100日旅するまめぴよ「The Blue Bird-5」パン
☆現在まめぴよが迷い込んでいる本☆
【青い鳥】メーテルリンク原作
チルチルとミチルの兄妹は、おばあさんに「幸せの青い鳥」を探してほしいと頼まれます。そして、さまざまな国へ旅立ち、各地で青い鳥を見つけるものの、国を出たとたんに鳥は姿を変えてしまい、どうしても連れて帰ることができない。。。
レンガの家
まめぴよは、今朝も新しいページで目を覚ましました。
たくさんのアヤメに囲まれた、かわいらしいレンガの家が見えます。
煙突からは煙がモクモク。まめぴよは訪ねてみることにしました。
ドアをノックすると
「あいてるよー」
と、中から男の声がしました。
家の中
まめぴよは、おそるおそるドアをあけ、中をのぞきました。
男「やぁやぁやぁ、きましたな。」
家の中には、丸く太めの男がいました。
男「ああ、いそがしい、いそがしい。さぁ、君も手伝って!」
まめぴよは、男に言われるままに、
オーブンの中に重たい鉄の箱をたくさん運び入れました。
男「やぁやぁ、ありがとう。助かった。これであとは待つだけだ。ひと休みしようか。」
まめぴよ「けっこう力仕事なんですね。」
男「ところで君は?」
まめぴよ「あ、まめぴよといいます。はじめまして。」
男「なるほど。」
男は、砂糖とミルクの話に聞いていた、青い鳥を探す仲間のひとり、パンの精でした。チルチルやミチル、仲間たちに届けるパンを焼いていたそうです。
アヤメのジュース
パン「アヤメのジュースでもおあがりよ」
まめぴよ「え?アヤメって、ジュースになるんですか??」
パン「そりゃそうさ、ボトルに入れて8回まぜればジュースになるよ。庭に行けばいくらでも作れるから、どんどんおあがり。」
アヤメのジュースは、透きとおった紫色で、ちょっとスッとするような香りの、上品な甘さのジュースでした。とても美味しくて、まめぴよは、おかわりしました。
本の外からくる人
まめぴよ「あの…ここには、よく、本の外から来る人、いるんですか?」
パン「本の外からくる人?めったにこないよなぁ。」
まめぴよ「でも、他にもいたんですね?」
パン「まぁ、そうだなぁ、だいたい自分を忘れたやつらだよなぁ…おっと話しすぎたかな」と、パンは「はっはっは」とオーブンのほうに行ってしまいました。
「自分を忘れた…?」
まめぴよは、パンの言葉があたまに残りました。
パン「さぁ美味しく焼けたぞ、私は仲間たちにパンを届けに行かなくては。君も、手伝いのご褒美だ、もっておゆきよ。」
パンは、食パンを布のカバンに入れ、肩にかけてくれました。
パン「それから、これもね。」
花を形どった切り絵を手渡されたかと思うと、レンガの家は消え、まめぴよの周りは、アヤメの花畑になっていました。