100日曼荼羅アート 83日目-黄泉の国
現代語古事記
☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
【古事記】
現存する日本最古の歴史書とされている書物。上・中・下の全3巻からなる。
和銅5年に太安万侶が編纂して、元明天皇へ献上された。
(青空文庫・現代語訳 古事記)
・・・そんな最古の書物に迷い込んだまめぴよは、どんな出会いをしていくのか……?
【83日目】100日旅するまめぴよ 「古事記-3」黄泉の国
比婆ひばの山
目を覚ますと、そこはもう地上のようでした。
少し先のほうに、相変わらず大きな体のイザナギノミコトの姿が見えました。
まめぴよは、そちらのほうへ行ってみることにしました。
近寄ってみると、
イザナギは泣いているようです。
まめぴよ「イザナギ様、どうされたのですか?」
イザナギ「おぉ、まめぴよか。聞いておくれ。私の愛するイザナミが、火の神であるカグツチの神を生んで、大火傷を負ったのだ。しかし、その後も、粘土の神や、水の神、鉱山の神などを生んだが、体は弱り続け、命を隠してしまった。愛しい妻を、ただ一人の子の命に代えようとは思いもしなかった。」
イザナギの瞳からから、大粒の涙がボロリボロリとこぼれ落ちます。
イザナギは、妻のなくなった経緯と、いまこの場にいたるまでを、まめぴよに語りました。
イザナギとイザナミが、共に生まれた島の数は十四、神は三十五神。ただオノゴロ島はお生みになった島には数えられません。
そして、イザナギがイザナミの死を悲しみ流した涙から生まれた神が、ナキサワメの神(水の神、延命の神)です。
その後、イザナギは、身につけていた長い剣でイザナミの命をうばう要因となったカグツチの神の首をお切りになりました。その剣からしたたる血から生まれた神さまは八神です。
また、殺されなさったカグツチの神の、頭や体からも様々な神が出現され、合わせて八神です。
指さすほう
イザナギ「しかし、カグツチの神の首を切り落としても、私の気持ちは収まらぬのだ。」
まめぴよ「と、とにかく、落ち着いて。ひといきつきましょう。」
イザナギ「よいか、まめぴよ!私は、愛しい妻にもういちど会いたい!そのために、ここへ来た!」
イザナギの指さすほうには、大きな黒い穴をした洞窟が見えました。
まめぴよ「まさか、あの洞窟の入口って……」
イザナギ「さぁ、まめぴよ!!共に黄泉の国へ参ろうぞ!!」
まめぴよ「えぇぇ!!!」
黄泉の国へ
まめぴよは、イザナギに無理やり引っ張られ、いっしょに黄泉の国に向かうこととなりました。
洞窟の入り口を入ると、
それはもう、まっくらで、つめたくて、なにか心細くなる場所でした。
まめぴよ「イザナギ様、この中、ものすごく恐いんですけれど……!」
イザナギ「私もここへ来るのは初めてだが、私が一緒なのだから、心配はいらないぞ。あっはっはっ。さぁ、とにかく、イザナミを探すのだ。」
大きなイザナギの背中を見失わないよう、
まめぴよは慎重に慎重に進みました。
すると、何かぷにっとしたものを踏んだかと思うと、
ツルん!!
まめぴよ「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
コロコロコロ・・・っと、転げて、落ちていきました。
イザナギ「まめぴよどうしたーーーー?!!」
と、イザナギの声もどこか遠くへ消えていきました。
コロコロがとまって、まめぴよは起き上がりました。
まめぴよ「どうなっちゃったの??どうしよう、ひとりになっちゃった!!」
イザナミ「そのお声は、まめぴよどのかしら?」
薄明りの漏れる隙間から、声がしました。
まめぴよ「イザナミ様?!ご無事なのですか?」
イザナミ「やはり、まめぴよどのですね。なぜ、そなたがこんなところへ。」
まめぴよ「イザナギ様とこちらへ参ったのですが、はぐれてしまいました。」
イザナミ「あのお方は相変わらずでございますね。それよりも、あなたにこれを。このような国へ長くいてはいけませんよ。」
薄明りの漏れる隙間から、イザナミは切り絵を差し出しました。
まめぴよ「イザナギ様は・・・・・・?」
イザナミ「あのお方のことは大丈夫だから、あなたは先へお行きなさいね。目の覚めた場所から、東の方角へまっすぐにお進みなさい。その道が地上へと続く道です。」
まめぴよ「はい!わかりました!」
まめぴよは、薄明りを頼りに、特別な本の新しいページを開き
切り絵を貼りつけました。