100日曼荼羅アート 92日目-三輪山
☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
【古事記】
現存する日本最古の歴史書とされている書物。上・中・下の全3巻からなる。
和銅5年に太安万侶が編纂して、元明天皇へ献上された。
(青空文庫・現代語訳 古事記)
・・・そんな最古の書物に迷い込んだまめぴよは、どんな出会いをしていくのか……?
まめぴよはアレンジ&簡潔にしてしまった古事記を旅して進んでいきますので、ぜひ、現代語訳古事記の本自体を、お手に取ってみてくださいね!なるほども、残酷も、さまざまでたいへん興味深い内容でいっぱいです、ぜひ!
現代語古事記
【92日目】100日旅するまめぴよ 「古事記-12」三輪山
出雲の岬
目を覚ますと、そこは再びスクナビコナと出会った出雲の岬。
近くに、大国主のうしろ姿がありました。
その背中は寂しく、落ち込んでいるようすです。
まめぴよは、大国主に声を掛けました。
まめぴよ「大国主さん、こんにちは。」
大国主「おお、まめぴよさんではないか。」
まめぴよ「どうか、されたのですか?」
大国主「実は、あのスクナビコナが、突然に自分の役目は終わったと、自分の国へ帰ってしまったのだ。頼りになる仲良い兄弟であったのに。この先、どうしてよいものか……!!」
大国主のなげき
まめぴよ「きっと、この先は、きっと大国主さんだけでも、進めていけるって、スクナビコナさんの想いあってのことですよ!」
大国主「スクナビコナの、想いか。よい国を造りあげきれ、と言っていたなぁ……。」
まめぴよ「約束といえば、確か、スサノヲさんとも、お約束があるっておっしゃっていましたよね!」
大国主「あぁ、『宮柱を太く立て、大空に高くそびえる立派な宮殿を建てて住め』とな……。」
まめぴよ「大国主さんならできるって、思ってくださっているんですよ!」
大国主「そうはいってもなぁ。。。」
と、まめぴよが大国主を力づけていたところ、
海の遠くから光り輝くものがゆっくりゆっくりと寄ってくるのが見えました。
まめぴよ「大国主さん、お顔上げてください、何か光るものが飛んできています。」
幸魂さきみたま・奇魂くしみたま
大国主は、顔をあげ、その飛んできた光に向かって訪ねました。
大国主「あなたは何者か……?」
すると光は答えました。
光「私は、あなたの幸魂・奇魂である。私を祀るならば共に国造りをいたしましょう。」
大国主「あなたは、私自身の魂の一部ということか?あなたをどうお祀りしましょう?」
光「わたしを大和の国を青々と取りかこむ東の山に祀りなさい。」
と、言ました。
大国主「よし、まめぴよ!大和の山へ急ぐぞ!!」
と、まめぴよを抱えて、東へ向かって走り出しました。
大きな大国主なので、出雲から走って少しすると、奈良にある大神山へたどり着きました。
そして、大国主の幸魂・奇魂の神は、大物主神として
三輪山に祀られることとなりました。
これが、奈良・三輪山にある大神神社の鎭坐の縁起となります。
三輪山
大国主「よし、この大物主神は白蛇に姿を変えるという。好物のゆで卵をたくさん供えておくのだぞ。」
大国主の従者たちが作るたくさんのゆで卵を、
まめぴよも、せっせと大きな社殿へ運ぶ手伝いをしました。
まめぴよは、ゆで卵が好物なので、
大物主神と気が合いそうだな、と、思いました。
大国主「手伝いをありがとう。」
と、大国主は、切り絵とゆで卵をひとつ、まめぴよに渡しました。
まめぴよは、切り絵とゆで卵を受け取ると、
にんまり笑顔で、ゆで卵をもぐもぐ食べました。
「大国主さん、がんばってね!」
と、まめぴよは、切り絵を新しいページに貼りつけました。