
☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
【古事記】
現存する日本最古の歴史書とされている書物。上・中・下の全3巻からなる。
和銅5年に太安万侶が編纂して、元明天皇へ献上された。
(青空文庫・現代語訳 古事記)
・・・そんな最古の書物に迷い込んだまめぴよは、どんな出会いをしていくのか……?
まめぴよは簡潔にしてしまった古事記を旅して進んでいきますので、ぜひ、現代語訳古事記の本自体を、お手に取ってみてくださいね!なるほども、残酷も、さまざまでたいへん興味深い内容でいっぱいです、ぜひ!

現代語古事記
【86日目】100日旅するまめぴよ 「古事記-6」誓約うけい
海界・葦原中国あしはらのなかつくに
目を覚ますと、まめぴよ大海原に座っていました。
まめぴよ「海の真ん中に座っているなんて……?」
まめぴよは、高天原と黄泉の国の間にあるとされる世界、海界・葦原中国についたようです。
と、よく見ると、まめぴよは大きなウミガメの上に座っていたのでした。
まめぴよ「あ、カメさんの上に座ってたのか。こんにちは、カメさん。」
そして、となりでは、あの建速須佐之男命(スサノヲ)が、泣きじゃくっています。
まめぴよ「スサノヲさん?どうしたのですか?」
スサノヲ「おぉ、おまえはみそぎ池にいた、まめぴよか。オレは、海界を治めてなどいたくない!母上に会いに黄泉の国へ参りたいのだ!!」
まめぴよ「黄泉の国??あの国へは、行かないほうが……!」
そこへ、イザナギが、様子を見にやってきました。
イザナギ「スサノヲよ、おまえの鳴き声のおかげで、山は枯れ、海は大荒れ、地上の世界は、わざわいに満ちておる!なぜ、お前に与えたこの国を治めずおるのか!」
スサノヲ「わたくしは、母上に会いたいのでございます!」
それを聞いたイザナギは、大変お怒りになって
「おまえは、この国には住んではならん!!」
と、スサノヲを海界・葦原中国から追い出してしまいました。
と、いうことで、
スサノヲは、まめぴよをわきに抱え、海界から去っていきました。
追放
国から追い出されたスサノヲは、しょんぼり。
しかり、すぐに気を取り直して、言いました。
スサノヲ「よぉし!まめぴよ、共に母上に会いに行こうではないか!」
まめぴよ「え!!黄泉の国へ?それは、さすがに、ちょっと・・・」
スサノヲ「おぉ、そうかそうか!!姉上にご挨拶をしてから、向かわねばならぬよなぁ!よし、まずは、天界へ参ろうぞ!」
まめぴよは、黄泉の国へ連れていかれずに済み、ホッと胸をなでおろしました。
そして、まめぴよは、スサノヲのわきに抱えられたまま、天界へ向かいます。
天界・高天原たかあまはらへ
スサノヲはたいへん乱暴な足音を立てるので、
天界へ向かう途中には、山や川が大変鳴り響き、天界も振動したのでした。
その振動に驚いた天照大御神(アマテラス)は、
「スサノヲが、私の支配する天界を奪いに来たのだ!」と勘違いをして、
じゅうぶんに武装をしてスサノヲの前に立ちはだかりました。
アマテラス「どういうわけで、ここへ昇ってきたのか?」
スサノヲ「私は母上の国へ参りたいと泣いておりましたらば、父上に国を追放されましたので、お別れのご挨拶に参りました。きたない心など、何もございません。」
アマテラス「その心を何が証明できようか?」
と、そこで、スサノヲは自分の正直な心を証明するため、誓約を提案しました。
スサノヲは、「誓約を立てて子を生みましよう。」と申されました。(誓約・・・古代日本で行われた占い)
天照大御神は、スサノヲの所持する剣を用いて、天の眞名井の水でそそいで、噛み砕き、吹き捨てる息の霧の中から、海の女神・宗像三女伸(タギリヒメの命またの名はオキツシマ姫の命、次にイチキシマヒメの命またの名はサヨリビメの命、次にタギツヒメの命の三柱)が、お生まれになりました。
そして、スサノヲは、天照大御神が左の髮につけていた勾玉を、天の眞名井の水でそそいで、噛み砕き、吹き捨てる息の霧の中から、太陽の御子が5柱(天之忍穂耳命(アメノオシホミミ)、天之菩卑能命(アメノホヒ)、天津日子根命(アマツヒコネ)、活津日子根命(イクツヒコネ)、熊野久須毘命(クマノクスビ))が、お生まれになりました。
まめぴよ「うーん・・・。どちらが、どちらの御子になるのでしょう?」
スサノヲ「それはもちろん、私の持ち物から生まれた神が、私の御子神だ!私の心が清らかだったので、私の持ち物から女神が生まれたのだ!」
横暴
そして、スサノヲは、誓約に勝った勢いに任せて、天界にて乱暴を働きはじめました。
田んぼのあぜ道を破壊したり、食事用の御殿にくそをまき散らしたり・・・
まめぴよはその行動を見て大ショック。
まめぴよ「スサノヲさん、やりすぎですよ!みなさん困っておりますし……!」
スサノヲ「何を言っているのだまめぴよ?聞こえんぞ!!あっはっは!!」
まめぴよは、スサノヲにしがみつき止めようとしましたが、
ちいさなまめぴよでは、体の大きなスサノヲを止めることは、できません。
アマテラスは、スサノヲの行為をとがめることなく、
「何か意味のあってのことでしょう。」
と、かばっておいででした。
そして、しまいには、スサノヲが、まだら毛の馬を、神の御召し物の機織り場に放り投げたせいで、ひとりの機織女が死んでしまいました。
そのことに心を痛めたアマテラスは、まめぴよに言いました。
アマテラス「もう私は、たえられません。」
そして、まめぴよに切り絵を渡すと、岩戸のなかに隠れてしまいました。
だんだんと、あたりが暗闇に包まれていきます。。。
まめぴよは、いちだいじ!と思い、
急いで切り絵を新しいページに貼りつけました。