100日曼荼羅アート 67日目-南十字星
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新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)
☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
【銀河鉄道の夜 宮沢賢治】
いじめられっこのジョバンニ、その親友のカムパネルラが、銀河鉄道に乗って様々な人と会ったり、冒険をするお話。その列車のいきさきは……?
【70日目】100日旅するまめぴよ 「銀河鉄道の夜-8」サウザンクロス
サウザンクロス
まめぴよが目を覚ますと、このページでも、走る列車の中でした。
カムパネルラのいた車両と違う車両のようです。
「次は、サウザンクロスー。サウザンクロスー。」
アナウンスが流れ、列車が停車しました。
窓の外には、ぼんやりと輝く天の川が見えました。
そして、天の川の終わるあたりには、
あらゆる色に光り輝く大きな大きな十字架が立っているのでした。
下車する人々
まめぴよと同じ車両に乗っていた人たちが、みな立ち上がり、
次々と列車をおり始めました。
窓の外をのぞいてみると、列車から降りた人たちは、
列をなして、大きな大きな十字架に向かって歩いていくようでした。
まめぴよ「カムパネルラも、ここで降りるんだろうか……。」
まめぴよが、窓の外を眺めていると、
後ろで、ゴロッと何かが落ちた音がしました。
振り返ると、あざやかな赤と金色でできたリンゴが、
足もとにに転がっているのでした。
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まめぴよ「あの、落としましたよ。」
まめぴよはリンゴを拾い上げ、扉へ向かう3人の人間に声をかけました。
青年「あぁ、どうもありがとう。」
青年は、まめぴよからリンゴを受け取ると、小さな男の子に渡し言いました。
青年「ことりさんが拾ってくれたよ、お礼を言って。」
男の子「どうもありがとう。さっき、もらったばかりのリンゴなんだ。」
すると、一緒に居た女の子が言いました
女の子「ねぇ、あなたはここでは降りないの?」
まめぴよ「えぇと……。」
青年「きみは、この先へ進むのかい?」
まめぴよ「えぇ、はい。。。」
女の子「そうなんだ、でも、この先への切符を持っていても、途中下車は可能なの。あなたも降りたかったら、ここで降りてもいいのよ。一緒に行きましょうよ。」
まめぴよ「……え?」
男の子「いいなぁ!ぼく、まだ乗っていたい!もっと先まで行きたいよ!」
青年「さぁ、そんなこと言わず、降りますよ。私たちは、天空へ旅立たねばならぬのです。」
青年は、男の子の背中をやさしく押しうながすと
「それじゃあ。」と言って、列車を降りていきました。
再び走り出す列車
列車の扉がしずかに閉まり、列車は、再び走り出しました。
まめぴよは、遠くに見える人々の列と、輝く十字架を窓から眺めました。
まめぴよ「あの人たちは、あの十字架から天空へ向かうのか。天空ってどんなところなんだろう。ここで降りなくても良かったのかな……?すこし、降りたかった気もしたな。」
ふぅ、と、ため息をついて、前を向きなおすと、
目の前の席に切り絵が置かれていました。
まめぴよは、切り絵を静かに拾い上げ、新しいページに貼りつけました。