100日曼荼羅アート 95日目-天地の階段
☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
【古事記】
現存する日本最古の歴史書とされている書物。上・中・下の全3巻からなる。
和銅5年に太安万侶が編纂して、元明天皇へ献上された。
(青空文庫・現代語訳 古事記)
・・・そんな最古の書物に迷い込んだまめぴよは、どんな出会いをしていくのか……?
まめぴよはアレンジ&簡潔にしてしまった古事記を旅して進んでいきますので、ぜひ、現代語訳古事記の本自体を、お手に取ってみてくださいね!なるほども、残酷も、さまざまでたいへん興味深い内容でいっぱいです、ぜひ!
現代語古事記
【95日目】100日旅するまめぴよ 「古事記-15」天孫降臨てんそんこうりん
天界からの階段
目を覚ますと、そこは、天界と地上の世界との階段の途中のようでした。
その階段は、黄金に輝く雲で出来ています。
男「おい、そこのもの、道に迷っておいでか?」
後ろから声がしました。
振り返ると、非常に派手な着物を着た、
赤ら顔の、とても鼻の長い男が立っていました。
珍しい顔立ちのひとだ、と思いつつまめぴよは挨拶しました。
まめぴよ「あ、こんにちは。本の外から参りました、まめぴよと言います。」
猿田彦「我が名は猿田彦神。道案内の神である。本の外からとは、苦労をしておいでだな。」
まめぴよ「道案内の神さま?」
猿田彦「おぬし、だいぶ長い旅をしてきておるな。様々に。」
まめぴよ「旅してきたところ、分かるのですか?」
猿田彦「それは、もちろんじゃ。道案内の神の力をあなどるでないぞ。おぉっおっおっ!」
猿田彦は大きな鼻を揺らしながら、変わった笑い方で笑いました。
まめぴよ「あの、これからどのように進んでいけば・・・?」
猿田彦「おぬしには、道案内という、道案内は必要なさそうじゃ。この長い長い本の旅の中で、ずいぶんと多くの箱が開いておるしな。自分の進むべき道も、理解しておるじゃろうて。おぉっおっおっ!」
箱は2つしか開けていないし、進むべき道も分からないし、
猿田彦の言う意味がよく分からなくて、もっと質問をしたかったのですが、
笑うたび、猿田彦の大きな鼻が揺れるのがオモシロすぎて、
まめぴよは、笑いをこらえるのに集中して、それ以上質問をできませんでした。
天孫降臨てんそんこうりん
猿田彦「そろそろと思うがのう・・・。」
まめぴよ「どなたか、待ち合わせですか?」
猿田彦「約束はないが、待ち人をしているところである。天降られる神々が、ここを通るというので、道案内のため、ここにいるわけじゃ。」
まめぴよ「・・・ついに、天の神々さまが、降りてくるときなんですね。」
猿田彦「そう、そのとおり。天照大神の御孫神、瓊瓊杵尊(ニニギ)の御一行が、地上を知らすため、降りてこられるとのことだ。」
当初は、ニニギの父神である天忍穂耳命(オシホミミ)が降りてこられる予定でしたが、オシホミミに御子ニニギが生まれたので、孫のニニギが降りてくることとなりました。
(オシホミミは、国譲り時に地上の世界をやかましい国と好んでいなかったようなので、ニニギに降臨の役がいったのかもしれません。)
ニニギの御一行
猿田彦「まめぴよよ、階段の上方を見るがよい。」
まめぴよ「あ、あれが御一行ですか。」
猿田彦「さぁ、神々が通る。おぬしも次のページへ急がれよ。」
と、切り絵を差し出しました。
まめぴよ「猿田彦さん、ありがとうございました。」
猿田彦「おぬしの旅も、もう終盤。もうひとふんばりじゃな。」
猿田彦はまめぴよの頭をポンポンとなでました。
まめぴよは、ニッコリうなずくと、切り絵を受け取り新しいページに貼りつけました。