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【64日目】100日旅するまめぴよ 「銀河鉄道の夜-2」はくちょう座

100日投稿

100日曼荼羅アート 64日目-はくちょう

☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
銀河鉄道の夜
いじめられっこのジョバンニ、その親友のカムパネルラが、銀河鉄道に乗って様々な人と会ったり、冒険をするお話。その列車のいきさきは……?


新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

【64日目】100日旅するまめぴよ 「銀河鉄道の夜」はくちょう座

色とりどりのカギ

目を覚ますと、まめぴよはイスに座っていました。

 ガタン…ゴトン……

まだ、銀河鉄道の列車の中のようです。

リス「やぁ、起きたのかい?」
目の前の席には、リスの男が座っていました。
まめぴよ「あ、はい。。。」
まめぴよは、コクリとうなづきました。

リス「きみ、どこまで行くの?」
まめぴよ「ええと、駅名は分からないんですが……、最後のページまで……。」
リス「あぁ、きみ、本の外からの旅人か。」
リスは、窓の外を見ながらフンフンフンと、うなずきました。

そして、腰につけていたカギの束をジャラジャラとはずし、
ずいっとまめぴよの目の前に差し出しました。
リス「どうだい、これ、ステキだろう?」
いったい、いくつのカギが束になっているのでしょうか。
さまざまな色をした美しいカギが、輝いていました。

まめぴよ「とってもステキです。ずいぶん、たくさん。何のカギですか?」
リス「何のカギかなんて、関係ないのさ、オレはカギを集めてるんだから。」
まめぴよ「使わないカギ、ですか……?」
まめぴよは、このひとは変わった人なのかな?と、思いました。

リス「きみも、カギを見つけたら私に持ってきておくれよ。カギをくれたら、この本のヒミツを教えてあげるから。」
まめぴよ「……この本のひみつ?」
リス「ここだけの話、この本はね、列車に乗ったままじゃ最後のページまでいけないんだ。ヒミツを知らなきゃ外に出られない本なんだよ。だから、それを私が教えてやろうって話さ。」
まめぴよ「えぇと……、本の中で見つけたカギは、自分に必要な箱を開けるために使うはずなんじゃ……?」
リスは、やさしそうに笑いながら言いました。
リス「この本では、オレにカギを渡すことが必要なのさ。」

白鳥の停車場

 『白鳥の停車場ー 白鳥の停車場ー 30分停車いたします』

アナウンスが流れました。

リス「さぁ、せっかくの旅なんだ。この停車場には美しい川がある、よく散策してくるといいよ。」
まめぴよ「はい。いってきます。」
まめぴよは列車を降りました。

まめぴよ「箱を開けるだけじゃなくて、見つけたカギを人に渡すってこともあるのか……。」
まめぴよは、リスの男の言った言葉の意味が、すこし気になりましたが、
とりあえず、川まで歩いてみることにしました。

天の川

駅には、『天の川』と、やじるし看板があったので、
まめぴよは、その案内の方向へ歩き出しました。

少し歩くと、穏やかに流れる川が見えてきました。
まっしろに輝く白鳥たちが、羽を休めています。

まめぴよは、子どものころ天体観測をしたことを思い出しました。
はくちょう座は、天の川を飛んでいるようにも見える星座です。
まめぴよ「そうか、それで、白鳥の停車場があるんだね。」

ぼんやり光る天の川に近寄ってみると、
川の水が光っているのではなく、川底の小石が光っているのが分かりました。
浅瀬に近寄って、その様々な色の小石を手に取ってみると、
透き通るその小石のなかには、さまざまな色の灯がともっているのでした。

天の川の景色は、ほんとうに美しいものでした。

まめぴよ「この本の中では、天の川はミルクじゃないんだ。」
と、まめぴよは、ひとつ前の本を思い出し、くすっと笑ってしまいました。
まめぴよ「ムーとヌーは、元気かな……。」

すると、どこからか、プカプカと黒い箱が流れてきました。
まめぴよは、川にじゃぶじゃぶと入り、その黒い箱を拾い上げ、中を開けてみると、
虹色に輝く黒いカギが入っていました。

黒いカギ

まめぴよ「そろそろ時間だ。」
まめぴよは、黒いカギを首にかけ、歩いてきた道を戻り始めました。

そして、列車に戻る途中に思ったのでした。

いままで、2度とも、カギを見つけたあと、
どこからともなくカギのかかった箱が現れ、黒いカギを使って開けてきました。
箱の中には、まめぴよに必要なものが入っていました。

そういえば、そのときに、カギはどうなっていたでしょうか。
箱の中身は覚えていますが、手元にあったカギがどうなっていたのだか、よく思い出せません。
まめぴよ「手元から消えてしまっていたような……?カギは、どうなっていたんだっけ?」

箱を開けた時のことを思い出そうとすると、
夢のように、ぼんやりと記憶がかすれていき、思い出せなくなりました。

列車へ

まめぴよは、なんとなくあのリスと顔を合わせたくなくて
先ほどと違う車両に乗り込み、席に着きました。

扉がしまり、列車は再び走り出しました。
あのリスと会わずに済んだかなと、ホッとしたところ……

リス「あー!いたいた!まったく、どこに行ったかと思ったよ!」
リスの男がやってきました。
リス「やっぱり、川でカギを見つけてきたんだな!」

まめぴよ「川で、カギが見つかること、知っていたんですか……?」
リス「そりゃあ、この本にくる旅人たちが、あの川でカギを見つけてくるからさ。」
まめぴよ「カギを待ってたの……?」
リス「勘違いしないでおくれよ。オレはきみのことを心配してるんだぜ。さぁ、カギを渡しなよ。ヒミツを教えてあげるから。」

まめぴよ「あの、カギを渡すのは、箱を見つけた後とかじゃ、ダメなんですか……?」
リス「そのカギで箱なんか開けちゃダメだ!だいじなカギが消えちまう!!あ、いやいや、この本ではさ、オレに渡すのがルールだから。ハハハ。」
リスは笑ってごまかしました。

リス「このままじゃ、この本から出られやしないぜ?延々とこの列車に乗り続けることになるんだよ?」
まめぴよ「でも、カギのかかった箱が、この列車にもあるかもしれなくて……。」
リス「そんなこと気にすることないさ。ここでオレにカギを渡したとしても、きみら旅人は何度でもカギと箱を見つられるんだぜ。」
まめぴよ「何度でも……?」
まめぴよは、首にかけた黒いカギを見つめました。
カギは、美しく虹色に輝きます。

リス「それにしても、黒いカギなんて、初めて見たな。ずいぶんとキレイじゃないか。ちょっと見せておくれよ。」
リスは手を伸ばしました。
まめぴよは、リスの手を避けるように席を立つと言いました。
まめぴよ「あの、ヒミツを聞くのは、ご遠慮しておきます……。」
リス「おい!オレの話を聞かずにこの本から出られるなんて、できやしないぞ!この列車に乗ったなら、そんなことかなわないんだ。」
リスは声を荒げました。
まめぴよは、ぺこりと頭を下げると、急いで前の車両に向かい歩き出しました。

リスは、立ち去るまめぴよに向かって言いました。
リス「おまえ、この本を読んだことあるなら知っているんだろう?この列車の向かう先を!」

車両の通路の扉を開けて、まめぴよは振り返り言いました。
まめぴよ「このカギは渡せません!」

リス「くそぉ!そのカギよこせ!!」
リスは、顔を真っ赤にして、立ち上がりました。

まめぴよは、リスの言葉におどろいて、ぴしゃりと扉を閉じました。
リスが真っ赤な顔をして、ズイズイと扉に向かってくるのが、ガラスごしに見えます。
まめぴよ「どうしよう……!!」
よく見ると、閉じた扉のガラスには、切り絵が張り付いていました。

まめぴよは、急いでその切り絵をはがし、本の新しいページに貼りつけました。

(切り絵はTwitter Instagramにて、今夜UP予定)

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