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【3日目】100日旅するまめぴよ「The Blue Bird-3」砂糖&ミルク
【青い鳥】メーテルリンク原作
チルチルとミチルの兄妹は、おばあさんに「幸せの青い鳥」を探してほしいと頼まれます。そして、さまざまな国へ旅立ち、各地で青い鳥を見つけるものの、国を出たとたんに鳥は姿を変えてしまい、どうしても連れて帰ることができない。。。
3ページ目のめざめ
”時”からもらった切り絵で、再び暗闇に包まれたまめぴよ。
3ページ目に到着し、目を覚ましました。
目を開けると、森の小道に立っていました。
あたりには誰もいません。
「…この本から出るためには、最後のページまで行かなくちゃなんだよね。切り絵を持っている人、探さなくちゃ」
まめぴよは、小道をすすんでみることにしました。
小鳥がさえずり、お日さまがまぶしいです。
風は冷たいですが、
木々の葉が顔を出し始め、春のはじまりの様子です。
小さな小屋
小道をすこしゆくと、一軒の小屋が見えてきました。
まめぴよは、小屋を訪ねてみることにしました。
「ごめんくださーい」
ギィィィ…と、扉が開きました。
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砂糖とミルク
女性「あら?」
まめぴよ「こんにちは、まめぴよといいます。ちょっと探し物をしていて…」
女性「あなたが、まめぴよさん!ささ、おあがりになって!」
まめぴよ「どうも。。。」
小屋の中には男性もいました。
男性「”時”から話は聞いているよ!」
![まめぴよ](https://mandala.mamera.tokyo/wp-content/uploads/2020/05/mamepiyo.jpg)
なるほど。他のページにお話をつけてくれてたのか。
”時”さん悪い人じゃなかったんだね。
砂糖「泣き虫がくるって言ってたからさ!どんな奴が来るかと思ってたよ!」
あっはっはと砂糖は笑いました。
![まめぴよ](https://mandala.mamera.tokyo/wp-content/uploads/2020/05/mamepiyo.jpg)
時の番人!!いい人でもないな!!
女性「私は、ミルクの精。よろしくね。」
男性「私は、砂糖の精だ。」
まめぴよは、ふたりと握手をしました。
まめぴよ「あの、さっそくなんですけど…」
ミルク「ささ、こちらに座って!私たち特製のホットミルクをごちそうするわ!」
砂糖「たっぷりの甘さに仕上げてあげるよ。」
まめぴよ「…あ、あの、甘さはひかえめで」
ふたりにまめぴよの弱弱しい声は届きませんでした。
ミルク「さぁ、めしあがれ。」
ミルクは、ポカポカのカップを差し出してくれました。
パールがかったような、キラキラとした、
なんとも美しい白色をした美しいミルクでした。
まめぴよ「…いただきます。」
とっても甘いのに、甘すぎないような、まろやかなミルク。
まめぴよ「こんなに美味しいホットミルク飲んだことがないよ!」
まめぴよは、ごくごくとホットミルクを飲みました。
砂糖とミルクは顔を見合わせ、とてもうれしそうに笑いました。
ミルクを飲んだら、不思議と心が落ち着いて
やっと、安心できたような、そんな気分になりました。
大切な役目
砂糖とミルクは、他の、ネコの精や犬の精、パンの精など、仲間たちの話をおもしろおかしく話してくれました。とても楽しい時間でした。
まめぴよ「ところで、君たちは、どうしてここにいるの?」
砂糖「チルチルとミチルを手伝うために、青い鳥を探しているんだよ。他の精たちもおなじさ。」
ミルク「そう、大切な役目。そういう役目の住人なの。」
まめぴよ「そっか、本の中の住人だっけ。役目があるんだね。」
”役目”と聞いて、まめぴよは自分の仕事のことを思い出しました。
まめぴよ「そうだ、早く家に帰らないといけなかったんだ…」
砂糖「その帰りたい場所に、君は大切な役目があるのかい?」
まめぴよ「そりゃもちろん、勤めてる会社に仕事が…」
と、言いかけて、
大切な役目?自分に、役目はあったのかな?
毎日の生活、どうだった?と本に入る前の生活を思い返そうとしましたが、
なんだろう、頭がフワフワして、よく思い出せません。
砂糖「君は、黒い本を持っているだろう?それは特別な本だよ。」
まめぴよ「この本が…?」
まめぴよは、黒い本を開きました。
相変わらず、何も書かれていない本のページ。
昨日の”時”の言葉が思い出されます。
「この世界に足を踏み入れたのは、お前が望んだから」
ミルク「あなたが本の中に来たのには、ちゃんと理由がある。」
と、ミルクは微笑み、
お花を形どった切り絵を、そっと黒い本のページに置きました。
(お花の切り絵はInstagramにて、夜にUP予定)