100日曼荼羅アート 81日目-天地のはじめ
現代語古事記
☆現在、まめぴよが迷い込んでいる物語
【古事記】
現存する日本最古の歴史書とされている書物。上・中・下の全3巻からなる。
和銅5年に太安万侶が編纂して、元明天皇へ献上された。
(青空文庫・現代語訳 古事記)
・・・そんな最古の書物に迷い込んだまめぴよは、どんな出会いをしていくのか……?
【81日目】100日旅するまめぴよ 「古事記-1」天地のはじめ
序文のページ
目を覚ますと、静かな庭に立っていました。
穏やかな風が吹き抜けます。
まめぴよは、新しい本の世界へ入ったようです。
まめぴよ「ここは、何の本なんだろう?日本、かな……?」
まめぴよがぼんやり立っていると、うしろから声を掛けられました。
男性「どうも、こんにちは。みかけない容姿のあなた、本の外からの旅人ですね?」
まめぴよは振り返り、答えました。
まめぴよ「はい、そうです。はじめまして、まめぴよです。」
男性「どうもどうも、ご丁寧に。わたくし、太安万侶(おおのやすまろ)と申します。」
まめぴよ「おおのやすまろ!!?」
はじまりの庭
太安万侶「ここは、はじまりの庭。旅人のみなさんがたは、この庭からこの本の旅を始めるのです。」
まめぴよ「そうでしたか。ここの本には、たくさんの旅人がくるのですか?」
太安万侶「えぇ、それはもう、たくさんの旅人がやってきていますよ。古い書物でございますから。」
まめぴよ「なるほど……。」
太安万侶「ご存じかとは思いますが、わたくし、古事記の編纂をさせていただきましたもので。序文のページを担当しておりまして、少々ご解説をもうしあげたく。」
と、男はペコリと一礼しました。
太安万侶「この古事記、上・中・下巻からなりますが、ただいま、あなたがいらしたこの本は、上巻に当たります。」
まめぴよ「ということは、上巻の最後のページまでたどり着けば、この本の世界から出られるということですね。」
太安万侶「えぇ、そういうことになります。」
天地のはじめ
まめぴよ「上巻だけでも、けっこう、長い旅になりそうな予感がしますね。」
太安万侶「えぇ、そうですねぇ。しかし、特別な本をここまで進んだあなたならば、進み切れるでございましょう。大切なことも、つかみかけているようなご表情ですし。ほっほっほ。」
まめぴよ「‥‥はい。」
まめぴよは、照れ笑いました。
太安万侶「まぁ、気楽にお進みくださいな。危険なことなど、ございませんので。それでは、次のページへ行かれる前に小話を。。。」
と、太安万侶は、天地のはじめを語りだしました。
この世界のいちばんはじめの時に、天にて成られた神様は、アメノミナカヌシの神といいました。次に成られたのは、次の神様はタカミムスビの神、次の神様はカムムスビの神。このお三方は、やがて形をお隠しなさいました。
次に、泥の中からアシが芽を出してくるようになられた神様は、ウマシアシカビヒコヂの神といい、次にアメノトコタチの神といいました。そして、形をお隠しなさいました。
以上の五神は、特別の天の神様です。。。
太安万侶「さぁ、まめぴよどの。天地ははじまりましたぞ。先へお進みなさい。」
と、切り絵を差し出しました。
まめぴよは、深々と頭を下げ、切り絵を受け取ると、特別な本へ貼りつけました。
太安万侶「お気をつけて。」